こんばんは。ユングです。
AFTERNOON PIANONNO 2014が終わってからもう1週間が過ぎました。
福島のM.Oさんも言われてますが、なんか、あれは夢だったんじゃないかというような気さえする、不思議で幸せでエキサイティングな瞬間でした。
そんなわけで、今年も皆様の演奏を聴いて、私なりに感じたことを所感にまとめました。私の所感は少々ファンタジーで??かもしれませんが、私の感じたままがこうなのと、どうしても書きたいので、書かせてください。もしよければ読んでください。
●I.Kさん・S.Kさん連弾 あまちゃんのオープニング主題歌
ご夫婦での連弾です。Kさんご一家はとても自然に肩肘張らずに音楽を楽しまれていて、この選曲や演奏にもそれがいつも表れているように思います。この選曲をする時点で、この演奏でなにかすごいことをやってやろうとかバッチリ決めてやろうとかいう意図が全くありません。ただ、楽しく、みんな楽しくなればいいねということ。この編曲もいいですね。少しおどけた旋律をプリモとセコンドでキャッチボールしつつ、最後は流麗な分散和音でしっとりと決めてくださいました。楽しく素敵な演奏でした。
●K.Mくん ぶんぶんぶん
親の私を見下している、私とかなり仲の悪い下の息子ですが、ぶんぶんぶん、はちがとぶの曲は頑張って練習していました。まあ、まだ6歳で全然弾き方もなにもあったものじゃないし教室に通わせてもいませんが、自分で楽しんで弾いているようで、このまま音楽好きになってくれたらなと思います。
●C.Gくん ショパン 英雄ポロネーズ
学生時代にも弾いた曲です。まるで昨日のことのように覚えています。すごくゆっくりで、こういう英雄もあるのかと驚いた記憶がありますが。リベンジというよりは、ただ好きだからもう一度弾こうかなという自然体の向き合い方です。そして、学生時代の弾き方とは少し違っていて、より自然なペースで、また完成度も上がっているようです。しかし、細部にこだわらないおおらかなところ、そしてどっしりとした重量感は相変わらず健在でした。これが彼の演奏の一番の特徴であり、聴衆に嫌味を感じさせない素敵なポイントですね。ちょっとホッとする英雄でした。
●S.Sちゃん・K.Sさん アナと雪の女王より 雪だるまつくろう
かわいらしいごあいさつに始まり、あの「ゆきだるまちゅくーろー」・・・これは反則ですね。そして映画のセリフ。少し哀しい表情まで見事に再現。かわいすぎてどんな気難しい人でも思わず微笑まずにいられません。おいしいところ全部持って行ってしまいました。でも、そんなかわいらしさに隠れがちですが、この子は音をしっかり取ってます。音感優れていますね。 3人姉妹の一番下の子ですが、お姉さんに続いて音楽を好きになってほしいですね。
●Y.Nさん ドビュッシー 月の光
毎年ピアノンノに出ていただいていますが、出るたびに安定感が増して上達されているなあと感じます。ご自宅でもかなり練習されているのではないかと思いますが、もちろん本番独特の緊張はあるとは思いますが、しっかりした基礎の上に、さらに努力を積まれているなあと感じました。2回続けてドビュッシー。着実にひとつひとつ仕上げて行かれています。こういうところも、1つ1つの曲を大切にしている姿勢を感じます。まあでも、そういうところは置いといて、とにかく透明感がある音です。綺麗な湖面に映る月の姿が見えたような気がしました。
●Y.Sちゃん スラブ行進曲
この曲を初めて聞きましたが、オケの曲がもとになっているようです。ものすごく体全体を使って弾いてくれました。力いっぱいです。音ひとつ残らず弾きもらすものかというしっかりした思いを感じました。曲想としてはどっしりズンズンズンという感じです。この子の独特の弾き方、たぶんこの子の弾き方の基本的な個性なのだろうと思います。これからが楽しみです。
●H.Kちゃん スピッツ チェリー
なんで幼稚園の子供がスピッツの弾き語り??なサプライズでしたが、弾き方がパパそっくりだよ!これパパが教えたとのことなので、当たり前っちゃ当たり前かもしれませんが、ほんっとに親子を感じました。この年齢で弾き語りがちゃんとできる、ペダルも制御する、という技術的なことももちろん驚きなのですが、音の迷いのなさ、「愛してる~♪」となんの屈託もなくシャウトできる素直さ、お辞儀の歯切れの良さなど、とにかくこの子の真っ直ぐストレートな心が随所に感じられました。本当にこの先もずっと真っ直ぐ育ってほしいですね。
●Mia&Assey 枯葉
岩手県からお越しいただいたM.Mさんのお母さん。地元でジャズやシャンソンを歌っていらっしゃいます。私が伴奏でしたが、1年前思いつきで合わせた時もそうですが、ああ、シャンソンてこういう歌なんだ、とちょっと感動しました。私がシャンソンを知らないだけなのかもしれませんが、なんて繊細な感覚なんだろうと。この日は枯葉という季節ではありませんでしたが、私の中では枯葉が舞い、暖炉にあたって過去を回想するような気持ちにつかっていました。私が伴奏させていただいたのは本当に嬉しくありがたかったです。音楽が大好きという、音楽を愛する気持ちがにじみ出てはじけています。ぜひこれからも来ていただきたい素敵な方です。
●E.Uさん カバレフスキー ソナチネ
子供の練習曲だそうですが、子供がこんなスピードで弾けるかよって、いきなり最初から爆走です。この人の演奏はなんでこんな安定してるんでしょうか。学生時代からその完成度の高さはまったく変わらないのです。聴いていて安心します。これは現代曲なんでしょうか。初めて聴く曲でしたが、小気味よく、スカッとしていて楽しい演奏でした。頭の中でなにか子ネズミみたいなのがたくさんちょろちょろ走りまわってネコと追いかけっこしていました。
●M.Kちゃん おつきさまのおはなし
かわいらしいソロの曲です。弾き方もとても丁寧でかわいらしく、もともとタイトルどおり落ち着いた曲なのですが、激しすぎず、小さすぎず、とても自然な女の子の演奏という感じでした。女子力を感じさせる演奏です。これもこの子の独特の個性だと思います。この先どんな風に演奏が変わって行くのか、あるいはこのままの路線で行くのか楽しみです。
●K.Tさん・K.Sさん連弾 アナと雪の女王より Let it go
恒例の連弾デュオのお二人です。これまではどちらかというとノリノリアゲアゲの曲が多かったですが、今年は流行のこの歌でした。その時でしかやれない旬の曲ってありますよね。アナ雪もきっとそうだと思うのですが、弾きたいから弾くのだと言うシンプルな意思を感じる演奏です。ノリというよりはのびやかな、大人なLet it goだったように思います。
●K.Tさん バッハ フランス組曲よりアルマンド
ブラームス ワルツ15番
バッハの曲は一度脱線すると、線路を元に戻るのが難しい非常に危険な曲が多く、たぶんこのアルマンドもそうなのだろうと思うのですが、途中脱線しかかりはしましたが、最後きちんと元の線路に戻りました。そしてこの曲のイメージ、とても有名な曲であまりバッハを聴かない私でも知っている曲なのですが、落ち着いて淡々と進みつつ、機械的ではなくあたたかくほっこりした雰囲気が感じられて素敵な演奏でした。ブラームスのワルツは、ブラームスにこんな曲があったんだと、嬉しい発見でした。こうした小品には本当に素敵なのが多いですね。2曲ともにリハーサルでは普通に弾けていらっしゃったので、この日の本番では相当緊張されていたと思いますが、このワルツのなんとも落ち着いて至福なイメージはとてもよく出ていたと思います。
●K.Mさん・A.M親子 シューマン 詩人の恋より 美しい5月には
私の父が歌いました。歌好き音楽好きの父と一緒に演奏するのは私の夢でした。一度も親孝行らしいことができないダメ息子でしたが、ちょっと嬉しかったです。父の歌声を初めてまともに聴いた気がしました。あ、こういう声だったんだと、まろやかでまあるい声でした。
●K.Mちゃん・M.Mさん ルグラン キャラバンの到着
楽譜が見当たらずどうなることかと思いましたが、無事に見つかって良かったです。これまた素敵な演奏でした。ジャズ風の曲で、私は初めて聴く曲でしたが、カッコいい!娘のKちゃんが上のパート、下をママのM.Mさんでしたが、リズムが見事にぴったり。ジャズってリズム難しいし、私も聴きながら、あれこのリズムなんだろうってポイントいくつかありましたが、最後まで全くブレず、見事でした。あの小さかった女の子が、もうママと背があまり変わらず、ジャズを一緒に弾くようになったのだなあと、感慨深かったです。
●H.Kちゃん ツェルニー 羊飼い少年マーチ、イギリス民謡 綺麗な花
あいさつからして素晴らしくキレています。そして演奏もキレています。なんでしょうこの幼稚園ばなれしたしっかりした音とリズムは。練習しっかりしているというのももちろんあるでしょうが、音のひとつひとつをしっかり出すぞという執念のようなものすら感じます。この子は弾き語りもそうですが、将来どんな感じになるのか楽しみで仕方ありません。ぜひこのまま爆走してもらいたいと思います。
●K.Sさん ショパン ワルツ10番・14番遺作
K.Sさんはかなりショパン度の高い方だといつも聴いていて思います。今回も、ショパンの中で有名なこの2曲、特に後の方のワルツは難易度もハンパないと思うのですが、「有名な難曲」をものともせず弾いて下さいました。この人の面白いところは、誰から習ったわけでもないだろうに、なんともショパンぽいのです。技術的などうこうではありません、その曲をどういう風にまとめるかという曲想の話です。この方は先入観なしに曲を捉えている、それが実に自然で無理がない。きっと本当にショパンが合っているのだろうなと思います。誰もがそうした相性の良い作曲家があるだろうと思いますが、K.Sさんにとってはそれがショパンなんだなという感じがします。ある意味これが本当に自然な音楽の表現の仕方かもしれません。
●H.Sちゃん・K.Sさん グルリット ロマンス
そろりそろりと音を追いかけながら演奏していました。発表会のタイミングが合わずソロではなくママとの連弾になりましたが、途中止まらずちゃんと最後までたどりつきました。とても素敵な挨拶ポーズしてくださいました。私が昔学生時代にポーズで悩んだことを思い出しました。女の子はいろんなポーズのバリエーションがあって楽しそうです。こういうのも音楽の楽しみのひとつです。
●S.Mちゃん ギロック 幌馬車
私の娘です。なかなか頑張って練習していました。幌馬車のゆったりしたガタゴトがよく出ていたような気がします。
●Y.Oさん・M.Oさん ドビュッシー 前奏曲より抜粋
ご夫婦二人で5曲ぶっ通しでこうたいばんこという面白い技です。私は全部は知らないのですが、沈める寺や西風などは、とても好きで、イメージがあります。寺、いい感じでした。霧のむこうに寺の尖塔が見え隠れしつつ浮かんできました。それにしても、今回はプログラム作成までやっていただき、ただでさえお子さん多くまた仕事もありで超多忙な中、よくこのクオリティで持ってきたなあと、そこが一番の驚きでした。もともとのポテンシャルも相当なものだと思いますが、どれだけ頑張りやさんなんだろうと、頭が下がります。
●A.Kとノイジーファミリー 勇気100%
子供が幼稚園や小学校で絶対にやる曲です。今回、生まれたばかりの赤ちゃんをパパが背中にくくりつけてピアノ弾き語り、そしてお子さんふたりとそのお友達がマラカスで踊り、ママがタンバリンと歌を歌ってくれるという家族バンド。舞台から楽しさがはじけていました。誰も何も言わなくても自然にみんな一緒に歌いだし、手拍子が始まっていました。家族みんなでこういうことができるということがまず素晴らしいことだし、みんなで楽しもうという素敵な舞台を見せてくださったことが本当にありがたいです。会場がひとつになりました。
●N.Tさん ベートーヴェン ソナタ31番1楽章
高校生の女の子です。とても落ち着いたどちらかというと和な存在感を醸し出しつつ、この1楽章の落ち着いた雰囲気もぴったりだったような気がします。私はベートーヴェンの晩年のソナタがとても好きなのですが、どこか悟って突き抜けて脱力したようなその感覚を高校生が表現できるものだろうかと思っていましたが、彼女はとても自然に肩の力を抜いて弾いていたように思います。なんというか、本番の緊張をまったく感じさせない、実際にまったく緊張していないのではないかと思うような、「これでいいんだよ」という声が聞えるような気がしました。
●A.Oくん シューマン ふたりの敵だん兵
フランス国歌が途中から出てくる曲です。ヴァイオリンのことは私は門外漢でまったくよくわかりませんが、音しっかり取れていて、かなり上手なような気がします。この子はピアノも好きらしく、また最近はフルートなどの管楽器も興味があるようで、音楽全般を楽しむ心を持っています。ぜひこれから先、全方位に音楽好きでいてほしいですね。
●Y.Mくん ブルグミュラー 天使の歌声
天空の城ラピュタより シータの決意
ラピュタは直前に決めた曲でしたが、やりたい曲だというので頑張ったようです。なんとなく、こういうしっとりした系が好きなようです。弾き方は私に似ているとよく言われますが、指導したことはなく、表現の味付けは自分で勝手にやっているようです。来年は中学で、ピアノを続けるかどうかわかりませんが、音楽を好きでい続けてほしいなと願うばかりです。
●A.Kさん B.リチャード 夕べのさえずり
リチャード・クレイダーマンなどをよく弾かれていたママさんです。最近お子さんが生まれたばかりですが、プランクなど感じさせず、というか、そもそもピアノ始めてまだ2年くらいのはずなんですが、まったく危なげなく、この舞台度胸はタダものではないです。でもその度胸というのがオラオラ系ではなく、ふわっとしっとり女性的で素敵でした。
●N.Tさん 柴咲コウ 月のしずく
今回この歌をリハーサル含めて何度も聴かせていただきました。私は柴咲が歌う元の歌を知らずに聴きましたが、この歌のイメージ、寂しさ、物悲しさ、届かないものへの想い、そうしたものたちが頭の中にあふれ出します。彼女が奏でる音楽には、そうした中身があります。弾いているのではなく、表現しているのですね。彼女にしかできないことだなあと思います。今回本番では声が厳しかったと言っていましたが、逆にそれがこの曲のイメージを強くしたように私には感じられました。ブラボーです。
●N.Mさん ユモレスク
私の奥さんです。あまり人前で弾きたがらないのですが、今回はゆったりとほんわか聴かせてくれたように思います。今まではけっこう機械的に弾く弾き方だったように思いますが、少し弾き方が変わってきたようで、特に旋律を強く出すというところはかなり意識したと言っていました。きっといろんな方の演奏を聴いている中で、自分なりに工夫して演奏が変わってきたのかなと思います。そうした相互作用も演奏会の素敵なところですね。
●M.Kちゃん・I.Kさん・S.Kさん アナと雪の女王より Let it go
M.Kちゃん、ママが作ったエルサ衣装で、英語版で歌ってくださいました。英語でというのもすごいですが、この歌を歌いたいと自分で言って練習して本番歌いきるその意思が素晴らしい。これが好き、これをやりたいというその気持ちはなににも替え難い財産です。なかなか子供ではそうしたものがないのが現実ですが、この子にはそういうものがかなりはっきりあるのでしょうね。the cold never bothered me anywayは素敵にカッコよかったです。出来れば片足ドンもやってほしかったですね。
●H.Nさん 坂本龍一=押尾コータロー 戦場のメリークリスマス
私はギターのことはよくわかりませんが、大変にこれが難しいものだと言うことだけはわかります。タッピングハーモニクスのなんとも不思議で神秘的な響きです。またそれ以外にも、まるでドラムのような、木の部分を叩いて面白い音を出す、なんていうんでしょうか、技術もありました。この曲をやるために1年間ギター教室に通い研鑽を積んだということですが、仕上げるための努力を厭わずやりきって本番で形にしました。聴いた人みな別世界に連れて行かれたのではないでしょうか。ここ一番の見事な名演でした。ブラボーです。
●M.Mさん ラフマニノフ リラの花びら 音の絵より
タッチが安定していてとにかくどっしり感ばかりが先にたつM.Mさんですが、ここ2,3年で少し弾き方が変わったと私は感じています。以前にはなかった繊細さが彼女の演奏にふくよかさをもたらしているように思います。今回はリラの花びらが特にそう感じました。曲そのもののイメージも繊細で軽やかな系統だとは思いますが、とても素敵にそのイメージを引き出していたと思います。瑞々しい湖面のほとりに咲くライラックの花弁がたくさんくるくると舞っている姿が浮かびます。音の絵は、彼女らしい力強さが前面に出ていて本領発揮という感じでした。学生時代から変わらないところ、変わったところ、全体としてとてもいい成長を遂げているような気がします。昔から彼女の演奏には常になにか矛盾がつきまとっているように思っているのですが、それが年々ひとつずつ少しずつ解決していくような、パズルが少しずつ埋まって行くような、そんな気がしています。
●水本桂さん モーツァルト キラキラ星変奏曲
ベートーヴェン ソナタ23番熱情全楽章
水本桂さんは、ベルギーで活躍されているプロのピアニストです。(http://www.katsuranokai.ecnet.jp/)私とは大学の入学同期でしたが、卒業と同時に渡欧しピアニストへの道を選んで努力を積み重ね、プロとして演奏活動されています。今ではすっかり遠い存在になってしまいましたが、それでも年に1度こうしてピアノンノに来てくださることが本当に嬉しくありがたいです。
私はベートーヴェンの熱情ソナタはベートーヴェンのソナタの中ではかなり好きな方で、今年の桂さんのプログラムを聞いて小躍りして喜びました。この曲の持つ暗さ、激しさ、とんがったところ。桂さんの演奏のストレートさは性格そのものですが、熱情などはまさに本領発揮という気がします。以前にショパンのソナタ4番を演奏した時もそうでしたが、始まりの速度が既に常軌を逸していて、楽譜上はさらに速度を増すはずなのに最初こんな速くて大丈夫なのかと心配になりながら始まるのですが、ほんっとにそのまま加速して最後まで弾ききるところ、ハラハラドキドキというかただただ驚きというか、圧倒されます。最後のPrestoは本当に鳥肌が立ちました。来てくれて本当にありがとうです。超絶ブラボーです。
さて、そんなこんなで今年も無事にアフタヌーン・ピアノンノが終わりました。アフターではMiaさんの提案で、みんなで机ひとつにまとめて囲んで輪になって、いろんなお話ができました。ありがたいことです。そしてピアノでたくさん遊び、歌いました。ラプソディ・イン・ブルー、月の光、戦メリ、アメイジング・グレイス、HeyJudeなど、心の底から歌い笑い、楽しみました。こんな素敵な夜は何年ぶりでしょうか。本当に楽しかった。なんか、夢のようでした。
これから先、この集まりはどんなふうに変わって行くのかわかりません。変わらないということはたぶんないと思います。でも、どうあってもきっと続けて行きたいと思います。この素晴らしい一瞬を楽しみたいからです。年に一度の楽しみ、生き甲斐としたいからです。
今回も、遠く岡山、和歌山、岩手、福島、群馬、横浜などから足を運んでくださった方がいらっしゃいました。ただただ感謝しかありません。遠いところ本当にありがとうございました。そして、写真係を買って出てくれたH.Kくん、いつも大変なことを進んでやってくれて、本当に助かっています。ありがとう。また今年も素敵な看板を子供たちと一緒に描いてくれたM.Mさん、毎年どうしてこんな素敵なデザインが思いつくのか、無限に湧き出るアイデアの泉のようです。いつもありがとう。そしてこれまで私が作っていたプログラムを引き受けてくれたM.Oさん。おかげさまで夏らしくとても素敵なデザインのプログラムになりました。曲順もいいバランスでした。ほんとに助かりました。ありがとう。そして私が全然よくわからない音響については、I.Kさんにほとんど全部やっていただきました。本当にありがとうございます。またその他、いろいろお手伝いくださった皆様、いろんなもの持ち寄りいただいた皆様、たくさん拍手してくださった聴衆の皆様、たくさん笑顔をくれた子供たち、皆様のお陰で今年も素敵な体験ができました。全ての皆様に感謝します。きっと来年も、同じように幸せなひとときを過ごせますように。
ありがとうございました!
2014年8月10日日曜日
2014年8月9日土曜日
福島のOさんによるAFTERNOON PIANONNO 2014 所感!
福島から来てくださったM.Oさんが、AFTERNOON PIANONNO 2014の全ての出演に関して、とても面白い視点から所感を寄せてくださいました!!!
演奏そのものと、その奥にある内なるものに迫る、とても興味深い所感です。
お忙しいところ素敵な所感をお寄せくださり、ありがとうございました!以下に転載させていただきます!!!
~ここから~
こんばんは。会津のM.Oです。
改めて、アフタヌーンピアノンノ、準備から運営、演奏、本当にお疲れさまでした。
いつも、「聴きに行くだけでいいのかなあ」と思っているのですが、ついついお言葉に甘えて4回目となりました。
その演奏会も、ほぼ一週間前。早いですねえ。
とんぼ返りだからなおさらそう感じるかもしれませんが、
本当にあの夢のような演奏会があったのだろうか、と日々思いながら過ごした一週間でした。
振り返ると、子供たちはどんどん成長しているなあというのが今回、印象に残りました。
ずっとこの企画が続いていくなら、子供たちはやがてはいなくなるのかなと夢想したりもしました。
さて、この一週間、バタバタした日常の合間をぬって少しずつ書きためた今回のアフタヌーンピアノンノの印象を一気に送ります。
失礼な事を書いてないか、全くの的外れな事を書いてないか、いろいろ不安はありますが、
ともあれ、私が感じた事であることは確かであるので、御容赦願います。
そして、万が一、何かの参考になったなら、嬉しいです。
今回のアフタヌーンピアノンノ、いつも以上に充実した内容だったように思います。単純に良い曲が多かったとか、凄い演奏が多かったという事だけでなく、全体として曲の内容のバランスがいいのと、その順番と配置が絶妙だったことが大きいと思います。これ、順番や配置を間違えれば、かなりカオスな状況になりかねないと思うのですが、実に自然に様々な音楽がつながっていったと感じました。そして、今回その絶妙なプログラムのおかげではっきりと認識したのは、「家族それぞれに音楽の色合いがある」ということです。家族で音楽というと、ついつい「合奏」というものが思い浮かぶわけですが、仮に「合奏」がなくても、その家族にはなんとも言葉には表しにくい「何か」が底にあって、個別に演奏しても、その家族の「色」が出てしまうのです。同じような曲を演奏してもそうです。誤解のないように書いておくと、これは「演奏が似通っている」ということではありません。音楽をやる動機というか意欲の部分の「何か」が共通だということなのです。
ということで、今回は、順番関係なく、家族ごとグループごとに音楽の印象を書きとめていきます。
<生活の音楽>
I.Kさん・S.Kさん あまちゃん
M.K嬢・I.Kさん・S.Kさん アナ雪 Let it go(歌)
M.K嬢 轟千尋 おつきさまのおはなし
I.Kさんご一家は、今年がたまたまな事もあるかもしれませんが、やはり「生活に根付いている音楽」を楽しむという感じがよく伝わってくる演奏でした。流行りの音楽というのは、当然のことながら最も普段「耳にする」訳で、自然と耳に馴染んでゆきます。馴染んだものは愛着がわくので、演奏も自然に湧き出るようになってゆくでしょう。いわば、自然発生的に生じる、生活に密着した音楽つくりということになります。M.K嬢が、轟さんの「おつきさま」を選ぶというのも、普段なじんでいる音楽との親和性からではないでしょうか。という訳で、音楽に無理がなく、M.K嬢の英語歌詞の独唱も、ある意味その年齢で凄いと言えば凄いのですが、普段から何気に歌っているからこその安定感でしょう。Let it goって、結構、大人な歌詞の歌ですよね。あの映画、小さい女の子が見て分かるんだろうかとちょっと不思議な気がしていたんですが、M.K嬢のなりきり方を見る限り、ちょっと「おませな女の子」なら余裕でわかるんですかね。あまちゃんも、もちろん純粋に楽しく聴くことができました。
<暖色系の音楽>
K.Mくん ぶんぶん
K.M氏・A.Mさん シューマン 詩人の恋「美しい5月には」
S.M嬢 ギロック ほろ馬車
Y.Mくん ブルグミュラー 天使の合唱 、天上の城ラピュタ シータの決意
N.Mさん ユモレスク
M家の音楽は基本的に「暖色系」だと思います。今回、御尊父の歌唱を聴くことで、ほぼ確信に至りました。この暖色系音楽は「家系」なのだなと。もちろんそれぞれに個性があるのですが、音楽が先鋭化しすぎないと言うか、何か暖かなベールに包まれているようなそんな感触をM家の音楽から感じるのです。K.Mくんの「ぶんぶん」、S.M嬢の「ほろ馬車」でもそのM家の兆候が表れています。幼児が弾くとかなり暴力的な音色になりがちなこれらの曲を、K.MくんもS.M嬢もしみじみと弾いてくれました。御尊父のシューマンはフレージングの滑らかさが素晴らしく、自我をどこかに置いてきてしまったような、さりげない歌わせ方が印象的でした。そして、それに寄り添う息子、A.Mさんの伴奏もまた歌声に溶け込むように繊細でした。素晴らしい成長を見せてくれたのはY.Mくんでした。これほどに美しいブルグミュラーは久々に聴いたかもしれません。その美しさはどこから来るかと言えば、自分の音を持っているということに尽きます。ピアノと言う楽器はどんな音でも出せる半面、自分がイメージする音がなければ、音程以外は実は何も表現しえないものなのです。おそらくはY.Mくんには、内なる確固たる自分の音があるのです。だから、自分が出す音に集中している。もちろん、それはラピュタの曲でも同じです。何を表現したかったかは、まだ明確ではなかったかもしれませんが、「この音だ」というものはあったように感じました。そして、N.Mさんのユモレスク。これほどに情景が浮かんでくるユモレスクはなかったです。弾いている本人は何を思い浮かべているかは定かではないですが、「3人のお子さんを育て、家をまとめて大変ながらも幸せな日々を慈しむ情景」が私にはありありと見えてきました。全然、そのような表題音楽ではないんですけどね。
<憧れの音楽>
H.S嬢・K.Sさん アナ雪 雪だるまを作ろう(歌)
Y.S嬢 スラブ行進曲
H.S嬢・K.Sさん グルリット ロマンス
K.Sさん ショパン ワルツ 10番、14番
K.Tさん・K.Sさん アナ雪 Let it go(ピアノ)
アナ雪つながりで、K.Tさんもここに入っています。先に小さい女の子が「アナ雪」をみて、理解できるんだろうかと書きましたが、H.S嬢が「雪だるまを作ろう」を歌うのをみると、「ああそう言う場面は子供でもわかるよねえ」と納得したのでした。しかし、途中入る語りが映画そのままで滅茶苦茶可愛いですね。はっきりいって、これは反則です。いっさいの装飾のない純真なこの語りの可愛さに敵うものはないです。一方、K.Tさん・K.Sさん連弾のLet it goは大人の音楽。それぞれに、あの映画で思う所感じる所があったのだろうと思います。何を感じるかは人それぞれですが、歌詞ではなく、連弾を通して、言葉にならない様々な想いが表現できるというのは、やはり音楽のいいところです。Y.S嬢のスラブ舞曲(いきなり終わるのが斬新!)、H.S嬢のグルリットのロマンス(あんまりロマンスっていう感じの曲ではないですが)、K.Sさんのショパンの2つのワルツ(この選曲がいいですね)、どれも共通するのは、日常にはない音楽への憧れというものです。憧れと言う表現が適切かどうかはともかくとして、「この曲いいなあ」とか「こういう曲を弾きたいなあ」とか「これが弾けたらどんなにいいだろうなあ」とか、日常から一歩踏み出た、そんな音楽の世界への想いが伝わってくる演奏なのでした。
<挑戦の音楽>
K.Tさん フランス組曲 5番 アルマンド、ブラームス ワルツ15番
今回もなかなか難しい曲に挑戦しました。どちらも対位法的に無駄のない作品で、ごまかしがきかず、ちょっとでも声部を間違えると、元に戻すのが大変です。特にバッハはモーツアルトのように決まったコードの上に旋律があるという構造ではありませんので、一つの音を抜くと、すべての関係が崩れてしまうという状況になります。ブラームスも一見すると三拍子の伴奏に乗って旋律が単純に歌われているように見えますが、密かに声部がからみあっています。そのからみあいが、何とも言えぬ奥行きと味わいを感じさせる訳ですが、これもちょっと油断して縦・横の関係が崩れると、なかなか修復するのは大変です。それでも、頑張って最後まで弾ききったのはさすがです。やはり、この作品への想い・こだわりがある故でしょう。もう少し遅めのテンポで、一音一音を慈しむように弾くと、もっと気持ちよく音楽が作れるかもしれません。それなりのテンポでないと曲にならない作品もありますが、この二つは、もっとゆっくりでも音楽になりうるのではと思います。
<真摯な音楽>
Y.Nさん 月の光
H.Nさん 押尾コーターロー編曲 戦場のメリークリスマス
H.Nさんの戦場のメリークリスマスには驚きました。いやあ、このバージョンを弾くとは、、。完全なるギター素人の私ですが、一番繊細で、一番原曲の良さをギターによって伝えていて、しかし一番難易度の高い押尾バージョンは、初めて聴いた時は「いったいこれはどういうことなのか?」と狐につままれたような感覚でした。それを生で目の当たりにできるという幸せ。タッピングもフラジオレットもきっちりと決まっていて、どれだけ修業を積んだのかと想像せざるを得ませんでした。この編曲でこの曲を表現したいという真摯な想いがこの奇跡的な演奏を実現させたのだろうと思います。というか、ピアノと違って、どれだけ難しいのか想像すらつかないのが正直なところですが。どちらにせよ、日本人には馴染みやすい曲だけに、安易にジャカジャカ、ガチャガチャ演奏される事の多い作品ですが、これだけ静謐で高貴で、ある意味ストイックな演奏を聴ける機会は滅多にないでしょう。そして、それに合わせるかのようにY.Nさんの「月の光」です。順番としてはこちらが先だった訳ですが、音色に頼らない透明感あふれる真摯さの伝わる演奏で、やはりこれはH.Nさんの演奏とセットなんだなあと後から実感しました。
<体感する音楽>
H.K 嬢 スピッツ チェリー
H.K 嬢 チェルニー 羊飼いマーチ、イギリス民謡 きれいな花
A.Kさんとノイジーファミリー 忍たま乱太郎
A.Kさん B・リチャーズ 夕べのさえずり
今回の演奏会で最も驚愕したのは、H.K嬢の弾き語りでした。彼女のリズム感の良さは、様々な人の演奏する音楽に合わせて的確に踊っている以前の姿から明確でしたが、まさか「リズム感を失わずに、ピアノを弾きながら、歌ってしまう」というハイレベルな潜在力まであるとは思わずに「御見それいたしました」と言う他ありません。しかも、曲は普通に「大人の曲」であるスピッツのチェリーなんですから、二重の意味で驚嘆です。しかしながら、J.S.Bachがいなければ、C.P.E.Bachの名も音楽史に残らなかったのと同じように、身近に「お手本」となる存在がなければ、いくら素養があってもこういった技能は決して開花しないでしょう。すなわち、K家の生活の中には「体感できる音楽」に溢れていて、いかにも楽しそうに弾き語りをやっているお父さんの姿があって、自然と「あれ、やってみたい」となることでしょう。そして、幸運な事に、H.K嬢に、その意欲を実現できる素養が備わっていたという事なのだと思います。もちろん、それは家族全体に伝播して、良い意味で刺激を受け合って盛り上がっているのかなあと勝手な想像をしています。忍玉乱太郎も、全員でノッていくという雰囲気がよく伝わってきました。ピアノ始めてまだ間がないとアナウンスのあったA.Kさんの可愛らしい小品も、この家族のなかで可憐に咲くデイジーのような演奏で良かったです。ともあれ、体感する音楽をこれからも繰り広げてほしいなあと思いました。
<前進する音楽>
K.M嬢・M.Mさん ルグラン キャラバンの到着
Mia&Assey 枯葉
M.Mさん リラの花 音の絵Op.39-5
M家の音楽は昔から直球勝負。余計な寄り道はせずに、一歩一歩まっすぐに音楽が前へ前へと突き進んでゆくのが特徴です。シェルブールの雨傘の作曲家、ルグランの「キャラバンの到着」。通常、この曲は、思い切りスイングしつつ、ジャジーに崩して(いわゆるルパン三世みたいに)演奏されるものですが、K.M嬢&M.Mさんの連弾では、実直にガシガシと重戦車のように曲が進行してゆき、何かショクタコビッチの作った映画音楽のようでした。これはこれでM家の音楽らしくていいです。Mia女史の「枯葉」もまた、暖かみのあるAsseyさんの伴奏に合わせて、奇をてらわずに正面から存分にまっすぐな音楽を放射するといった感じで、心地よい歌でした。「枯葉」は、曲想が曲想だけに、過剰な情感を込めようとして、テンポを揺らしたり、半拍ずらしたり、溜めたりするものですが、そういう小細工はほとんどなしに、初々しく素直に歌い上げているのが良かったです。「枯葉」と言うよりも、「若葉」とでも言いたくなるような熱唱でした。そしてM.Mさんのラフマニノフ。輪郭のくっきりした骨太のラフマニノフでした。テクニカルな演奏難易度としては今回の曲目のなかでもトップクラスなのですが、誤魔化すことなく、情緒に流されることもなく、地に足のついた音楽を粘り強く作り上げていった感じです。ラフマニノフは、えてして「暗く」なりがちなんですが、一本骨の入った、これだけ健全なラフマニノフもそうそう聴けるものではないですね。ともあれ、M家は前進する音楽なのです。
<青年の音楽>
C.Gさん 英雄ポロネーズ
こういう曲なので、そう感じるのかもしれませんが、若々しい演奏でした。まさに青年の音楽。別の言い方をすれば、年齢を全く感じさせない演奏。英雄ポロネーズは、ピアノを頑張っている十代の男の子がいつかは弾きたい曲ナンバーワンでしょう(たぶん)。ここで、少年たちは、プロコフィエフとかラベルは目標としないのです。なぜなら、少年達は「英雄」的なものが大好きな単純な生き物だからです。しかしながら、相当に修練を積んでも、なかなか思うように気持ちよく弾けないものです(セミプロレベルの人は除く)。いつしか青雲の志は雲散霧消し、多くのピアノ少年はキーボードの上手なオジサンになってゆく訳です。C.Gさんは、青雲の志を忘れることなく(というか、目標にしていたかどうかはわかりませんが)、今回こうして、全力でこの壮大なポロネーズに格闘していた様子は、胸打たれるものがあります。志に近づく気持ちを持ち続ける、それ自体が、もう青年の音楽と言う他ないですね。
<機知の音楽>
E.Uさん カバレフスキー ソナチネ1番
カバレフスキーはソ連時代のロシアの作曲家。運動会定番のギャロップは誰でも知っているかとは思いますが、「それ以外の曲は?」と聞かれて答えられる人はそうそういないでしょう。ただ、非常に多くの教育用音楽を作ったので、日本ではピアノ学習者のみによく知られています。さて、そんなカバレフスキーのソナチネです。教育音楽ど真ん中な作品で、しかも、「教育音楽」から卒業する時の、総仕上げ的な作品。それなりに上達した子供たちが発表会などで弾く事が多いのですが、いかんせん「演奏が重い」。確かにテクニカルに難しい部分も多く、楽譜通りに頑張って弾こうとすればするほどに、重厚な演奏になってゆきます。が、カバレフスキーとしては、この曲は「パリッと爽やかに」弾く事を想定していたように思います。古典派・ロマン派のソナチネではなく、あくまで現代の新古典的なソナチネとして弾くのが正解でしょう。すなわち、機知溢れた音楽なのです。たまたま「学習用」というレッテルがあるために、プロによる演奏には恵まれませんが、内容はそれなりに変化に富んだ充実した作品です。ということで、さすがE.Uさん、実にパリッパリとすっきりした変幻自在なカバレフスキー的な演奏で私としては満足です。特に冒頭の重音の軽やかさ、諧謔味を引き出すために3楽章を弾き飛ばさずにあのテンポと曲想を保持したのもさすがです。
<随唱の音楽>
Y.Oさん・M.Oさん
ドビュッシー 前奏曲 雪の上の足跡、西風の見たもの、沈める寺、パックの踊り、ミンストレル
A.Oくん・M.Oさん シューマン リートとロマンス 第二集 二人の擲弾兵 Op49-1
ドビュッシーの前奏曲で二人のお名前があり、「連弾の編曲?あるいは違う楽器の編曲?」とか思っていたら、交互に弾いてゆくということでした。すぐさま、この曲はY.Oさん、この曲はM.Oさんと想定したら、その通りで、どんな演奏になるかもだいたい予想はついていたのですが、予想以上に夫唱婦随(婦唱夫随かな?いや、「氷炭相愛」がいいかな)な音楽になっていて感動しました。子供たちのノイズあふれる他ではありえない状況で聴く「雪の上の足跡」は、かえって音色がクリアに聞こえて「お汁粉に塩効果か?」と思ったりもしましたが、次の「西風の見たもの」で、極めて広いダイナミックレンジでM.Oさんの音色の成長を実感しつつ、周りのノイズは関係なく、そこに確かな音楽が林立していると感じました。で、同じようなノイズ状況で、「沈める寺」です。これまた痺れましたね。底の深い和音の連なりが決して分断されることなくクライマックスに向かって引き伸ばされてゆく様は圧倒的でした。そして、「パックの踊り」「ミンストレル」はあくまで軽妙にあっさりと弾き切っていて、爽快でした。ともあれ、このような演奏形式があることを認識しただけでも、大きな収穫です。まあ、誰と組むかが一番の難しい部分なのでしょうけどね。まだまだやんちゃな子供たちでしたが、やはりA.Oくんのシューマン、この親あって、この息子という感じで、簡易版の歌曲のヴァイオリン版でしたが、堂々とした演奏でした。ヴァイオリンは是非とも辞めずにこれからも続けて、様々な音楽体験を重ねていって欲しいなあと切に思いました。
<回想の音楽>
N.T嬢 ソナタOp110
N.Tさん 柴咲コウ 月のしずく
意図したかどうかは分かりませんが、ソナタOp110と「月のしずく」はどちらも「回想」をテーマとした音楽です。ためしに、月のしずくの歌詞を思い浮かべながら、ソナタOp110を聴くと、想像以上にしっくりきました(特に3楽章)。「月のしずく」の方は大変に有名な曲ですので、そんな凝ったことは考えずに「良い曲だから」ということで選んだのかもしれませんが、どちらにせよ、合奏しなくても、このように曲想がシンクロするというのはやはり家族なんだなと思います。十代にしてOp110を弾く、というと、年寄は「まだ早いのでは」と言いたくなる訳ですが、それこそ年寄の思い込みで、いい曲は誰にとってもいい曲なのです。ただ、N.T嬢がこの曲のどんな部分に惹かれたのかは、個人的に大変興味のある所ではありますが。演奏自体は、気負わない自然なもので、深い事は考えずに一つの美しい曲としてとらえているようでした。いや、もしかしたら、「遠い将来、N.T嬢が成熟した大人になって若い頃を回想するような時の心情」を妄想して、その妄想内容をこの曲に託したのかもしれませんが。N.Tさんの「月のしずく」は完全に自分自身の音楽としてじっくりと表現していて、心地よく聴くことができました。弾き語りは、どうのこうのいって結構難しいものですが、それでもしっとりと歌い上げていて素晴らしかったです。柴咲コウのやや演技がかった歌い方よりも、こちらの方が個人的には好みです。
<求心の音楽>
水本桂 女史 きらきら星変奏曲 熱情
求心といっても、心臓の薬ではありません(あれは「救心」か)。しかしながら、桂女史の演奏によって、心臓の拍動が激しくなってしまった人も多かったことでしょう。彼女の音楽の特質は、様々な音楽的要素がとある一点に向かって凝縮されてゆくその強力な求心力にあります。その特質が最も生かされる作品がベートーベンです。それも中期の作品。ということで、熱情は彼女にとってはどんぴしゃりの作品であると言えるでしょう。期待に違わず、彼女の特質が如何なく発揮された圧倒的な演奏でした。1楽章、3楽章の推進力は改めて言うまでもないことですが、2楽章の変奏曲の構築性もなかなか聴けるものではないです。技と勢いだけで押し切るタイプの人は、だいたい2楽章が死ぬほど退屈な演奏になるものですが、桂女史の2楽章は実に説得力に満ちた輝かしいものでした。彼女の音楽は、とにかく最後のコーダに向かって突き進んでゆくのです。おそらくは「台詞のない壮大な物語を体験した」という感慨を受けた人も多いと思いますが、まさにその感覚こそが「ソナタ形式」の体験なのです。反面、モーツアルトの変奏曲は、モーツアルトというよりはベートーベンの変奏曲といった感じでした。このロココ調(軽快・優美・繊細な装飾様式)な変奏曲が、ここまで硬質で構造を意識させるような演奏に変貌する事はそうそうある事ではありません。それでも説得力のある演奏になってしまう所が彼女の凄まじいところです。ともあれ、至福なひと時でした。
最後に、A.Mさん、司会がもう完全に板についてきましたね。3年前はマイクがなかったというのもあるけど、司会と言うより「独り言」っぽい雰囲気でしたが、今や堂々とした司会者ぶりです。何か音楽番組の司会もできそうな感じです。
ともあれ、充実した演奏会でした。
では失礼します。
~ここまで~
Oさんには、私からCDやDVDを送ったわけではなく、会場で生で聴いた音をどれだけ集中して聴き耳に記憶にやきつけていたのか、その凄さを感じます。
本当に、ありがとうございました!!!
演奏そのものと、その奥にある内なるものに迫る、とても興味深い所感です。
お忙しいところ素敵な所感をお寄せくださり、ありがとうございました!以下に転載させていただきます!!!
~ここから~
こんばんは。会津のM.Oです。
改めて、アフタヌーンピアノンノ、準備から運営、演奏、本当にお疲れさまでした。
いつも、「聴きに行くだけでいいのかなあ」と思っているのですが、ついついお言葉に甘えて4回目となりました。
その演奏会も、ほぼ一週間前。早いですねえ。
とんぼ返りだからなおさらそう感じるかもしれませんが、
本当にあの夢のような演奏会があったのだろうか、と日々思いながら過ごした一週間でした。
振り返ると、子供たちはどんどん成長しているなあというのが今回、印象に残りました。
ずっとこの企画が続いていくなら、子供たちはやがてはいなくなるのかなと夢想したりもしました。
さて、この一週間、バタバタした日常の合間をぬって少しずつ書きためた今回のアフタヌーンピアノンノの印象を一気に送ります。
失礼な事を書いてないか、全くの的外れな事を書いてないか、いろいろ不安はありますが、
ともあれ、私が感じた事であることは確かであるので、御容赦願います。
そして、万が一、何かの参考になったなら、嬉しいです。
今回のアフタヌーンピアノンノ、いつも以上に充実した内容だったように思います。単純に良い曲が多かったとか、凄い演奏が多かったという事だけでなく、全体として曲の内容のバランスがいいのと、その順番と配置が絶妙だったことが大きいと思います。これ、順番や配置を間違えれば、かなりカオスな状況になりかねないと思うのですが、実に自然に様々な音楽がつながっていったと感じました。そして、今回その絶妙なプログラムのおかげではっきりと認識したのは、「家族それぞれに音楽の色合いがある」ということです。家族で音楽というと、ついつい「合奏」というものが思い浮かぶわけですが、仮に「合奏」がなくても、その家族にはなんとも言葉には表しにくい「何か」が底にあって、個別に演奏しても、その家族の「色」が出てしまうのです。同じような曲を演奏してもそうです。誤解のないように書いておくと、これは「演奏が似通っている」ということではありません。音楽をやる動機というか意欲の部分の「何か」が共通だということなのです。
ということで、今回は、順番関係なく、家族ごとグループごとに音楽の印象を書きとめていきます。
<生活の音楽>
I.Kさん・S.Kさん あまちゃん
M.K嬢・I.Kさん・S.Kさん アナ雪 Let it go(歌)
M.K嬢 轟千尋 おつきさまのおはなし
I.Kさんご一家は、今年がたまたまな事もあるかもしれませんが、やはり「生活に根付いている音楽」を楽しむという感じがよく伝わってくる演奏でした。流行りの音楽というのは、当然のことながら最も普段「耳にする」訳で、自然と耳に馴染んでゆきます。馴染んだものは愛着がわくので、演奏も自然に湧き出るようになってゆくでしょう。いわば、自然発生的に生じる、生活に密着した音楽つくりということになります。M.K嬢が、轟さんの「おつきさま」を選ぶというのも、普段なじんでいる音楽との親和性からではないでしょうか。という訳で、音楽に無理がなく、M.K嬢の英語歌詞の独唱も、ある意味その年齢で凄いと言えば凄いのですが、普段から何気に歌っているからこその安定感でしょう。Let it goって、結構、大人な歌詞の歌ですよね。あの映画、小さい女の子が見て分かるんだろうかとちょっと不思議な気がしていたんですが、M.K嬢のなりきり方を見る限り、ちょっと「おませな女の子」なら余裕でわかるんですかね。あまちゃんも、もちろん純粋に楽しく聴くことができました。
<暖色系の音楽>
K.Mくん ぶんぶん
K.M氏・A.Mさん シューマン 詩人の恋「美しい5月には」
S.M嬢 ギロック ほろ馬車
Y.Mくん ブルグミュラー 天使の合唱 、天上の城ラピュタ シータの決意
N.Mさん ユモレスク
M家の音楽は基本的に「暖色系」だと思います。今回、御尊父の歌唱を聴くことで、ほぼ確信に至りました。この暖色系音楽は「家系」なのだなと。もちろんそれぞれに個性があるのですが、音楽が先鋭化しすぎないと言うか、何か暖かなベールに包まれているようなそんな感触をM家の音楽から感じるのです。K.Mくんの「ぶんぶん」、S.M嬢の「ほろ馬車」でもそのM家の兆候が表れています。幼児が弾くとかなり暴力的な音色になりがちなこれらの曲を、K.MくんもS.M嬢もしみじみと弾いてくれました。御尊父のシューマンはフレージングの滑らかさが素晴らしく、自我をどこかに置いてきてしまったような、さりげない歌わせ方が印象的でした。そして、それに寄り添う息子、A.Mさんの伴奏もまた歌声に溶け込むように繊細でした。素晴らしい成長を見せてくれたのはY.Mくんでした。これほどに美しいブルグミュラーは久々に聴いたかもしれません。その美しさはどこから来るかと言えば、自分の音を持っているということに尽きます。ピアノと言う楽器はどんな音でも出せる半面、自分がイメージする音がなければ、音程以外は実は何も表現しえないものなのです。おそらくはY.Mくんには、内なる確固たる自分の音があるのです。だから、自分が出す音に集中している。もちろん、それはラピュタの曲でも同じです。何を表現したかったかは、まだ明確ではなかったかもしれませんが、「この音だ」というものはあったように感じました。そして、N.Mさんのユモレスク。これほどに情景が浮かんでくるユモレスクはなかったです。弾いている本人は何を思い浮かべているかは定かではないですが、「3人のお子さんを育て、家をまとめて大変ながらも幸せな日々を慈しむ情景」が私にはありありと見えてきました。全然、そのような表題音楽ではないんですけどね。
<憧れの音楽>
H.S嬢・K.Sさん アナ雪 雪だるまを作ろう(歌)
Y.S嬢 スラブ行進曲
H.S嬢・K.Sさん グルリット ロマンス
K.Sさん ショパン ワルツ 10番、14番
K.Tさん・K.Sさん アナ雪 Let it go(ピアノ)
アナ雪つながりで、K.Tさんもここに入っています。先に小さい女の子が「アナ雪」をみて、理解できるんだろうかと書きましたが、H.S嬢が「雪だるまを作ろう」を歌うのをみると、「ああそう言う場面は子供でもわかるよねえ」と納得したのでした。しかし、途中入る語りが映画そのままで滅茶苦茶可愛いですね。はっきりいって、これは反則です。いっさいの装飾のない純真なこの語りの可愛さに敵うものはないです。一方、K.Tさん・K.Sさん連弾のLet it goは大人の音楽。それぞれに、あの映画で思う所感じる所があったのだろうと思います。何を感じるかは人それぞれですが、歌詞ではなく、連弾を通して、言葉にならない様々な想いが表現できるというのは、やはり音楽のいいところです。Y.S嬢のスラブ舞曲(いきなり終わるのが斬新!)、H.S嬢のグルリットのロマンス(あんまりロマンスっていう感じの曲ではないですが)、K.Sさんのショパンの2つのワルツ(この選曲がいいですね)、どれも共通するのは、日常にはない音楽への憧れというものです。憧れと言う表現が適切かどうかはともかくとして、「この曲いいなあ」とか「こういう曲を弾きたいなあ」とか「これが弾けたらどんなにいいだろうなあ」とか、日常から一歩踏み出た、そんな音楽の世界への想いが伝わってくる演奏なのでした。
<挑戦の音楽>
K.Tさん フランス組曲 5番 アルマンド、ブラームス ワルツ15番
今回もなかなか難しい曲に挑戦しました。どちらも対位法的に無駄のない作品で、ごまかしがきかず、ちょっとでも声部を間違えると、元に戻すのが大変です。特にバッハはモーツアルトのように決まったコードの上に旋律があるという構造ではありませんので、一つの音を抜くと、すべての関係が崩れてしまうという状況になります。ブラームスも一見すると三拍子の伴奏に乗って旋律が単純に歌われているように見えますが、密かに声部がからみあっています。そのからみあいが、何とも言えぬ奥行きと味わいを感じさせる訳ですが、これもちょっと油断して縦・横の関係が崩れると、なかなか修復するのは大変です。それでも、頑張って最後まで弾ききったのはさすがです。やはり、この作品への想い・こだわりがある故でしょう。もう少し遅めのテンポで、一音一音を慈しむように弾くと、もっと気持ちよく音楽が作れるかもしれません。それなりのテンポでないと曲にならない作品もありますが、この二つは、もっとゆっくりでも音楽になりうるのではと思います。
<真摯な音楽>
Y.Nさん 月の光
H.Nさん 押尾コーターロー編曲 戦場のメリークリスマス
H.Nさんの戦場のメリークリスマスには驚きました。いやあ、このバージョンを弾くとは、、。完全なるギター素人の私ですが、一番繊細で、一番原曲の良さをギターによって伝えていて、しかし一番難易度の高い押尾バージョンは、初めて聴いた時は「いったいこれはどういうことなのか?」と狐につままれたような感覚でした。それを生で目の当たりにできるという幸せ。タッピングもフラジオレットもきっちりと決まっていて、どれだけ修業を積んだのかと想像せざるを得ませんでした。この編曲でこの曲を表現したいという真摯な想いがこの奇跡的な演奏を実現させたのだろうと思います。というか、ピアノと違って、どれだけ難しいのか想像すらつかないのが正直なところですが。どちらにせよ、日本人には馴染みやすい曲だけに、安易にジャカジャカ、ガチャガチャ演奏される事の多い作品ですが、これだけ静謐で高貴で、ある意味ストイックな演奏を聴ける機会は滅多にないでしょう。そして、それに合わせるかのようにY.Nさんの「月の光」です。順番としてはこちらが先だった訳ですが、音色に頼らない透明感あふれる真摯さの伝わる演奏で、やはりこれはH.Nさんの演奏とセットなんだなあと後から実感しました。
<体感する音楽>
H.K 嬢 スピッツ チェリー
H.K 嬢 チェルニー 羊飼いマーチ、イギリス民謡 きれいな花
A.Kさんとノイジーファミリー 忍たま乱太郎
A.Kさん B・リチャーズ 夕べのさえずり
今回の演奏会で最も驚愕したのは、H.K嬢の弾き語りでした。彼女のリズム感の良さは、様々な人の演奏する音楽に合わせて的確に踊っている以前の姿から明確でしたが、まさか「リズム感を失わずに、ピアノを弾きながら、歌ってしまう」というハイレベルな潜在力まであるとは思わずに「御見それいたしました」と言う他ありません。しかも、曲は普通に「大人の曲」であるスピッツのチェリーなんですから、二重の意味で驚嘆です。しかしながら、J.S.Bachがいなければ、C.P.E.Bachの名も音楽史に残らなかったのと同じように、身近に「お手本」となる存在がなければ、いくら素養があってもこういった技能は決して開花しないでしょう。すなわち、K家の生活の中には「体感できる音楽」に溢れていて、いかにも楽しそうに弾き語りをやっているお父さんの姿があって、自然と「あれ、やってみたい」となることでしょう。そして、幸運な事に、H.K嬢に、その意欲を実現できる素養が備わっていたという事なのだと思います。もちろん、それは家族全体に伝播して、良い意味で刺激を受け合って盛り上がっているのかなあと勝手な想像をしています。忍玉乱太郎も、全員でノッていくという雰囲気がよく伝わってきました。ピアノ始めてまだ間がないとアナウンスのあったA.Kさんの可愛らしい小品も、この家族のなかで可憐に咲くデイジーのような演奏で良かったです。ともあれ、体感する音楽をこれからも繰り広げてほしいなあと思いました。
<前進する音楽>
K.M嬢・M.Mさん ルグラン キャラバンの到着
Mia&Assey 枯葉
M.Mさん リラの花 音の絵Op.39-5
M家の音楽は昔から直球勝負。余計な寄り道はせずに、一歩一歩まっすぐに音楽が前へ前へと突き進んでゆくのが特徴です。シェルブールの雨傘の作曲家、ルグランの「キャラバンの到着」。通常、この曲は、思い切りスイングしつつ、ジャジーに崩して(いわゆるルパン三世みたいに)演奏されるものですが、K.M嬢&M.Mさんの連弾では、実直にガシガシと重戦車のように曲が進行してゆき、何かショクタコビッチの作った映画音楽のようでした。これはこれでM家の音楽らしくていいです。Mia女史の「枯葉」もまた、暖かみのあるAsseyさんの伴奏に合わせて、奇をてらわずに正面から存分にまっすぐな音楽を放射するといった感じで、心地よい歌でした。「枯葉」は、曲想が曲想だけに、過剰な情感を込めようとして、テンポを揺らしたり、半拍ずらしたり、溜めたりするものですが、そういう小細工はほとんどなしに、初々しく素直に歌い上げているのが良かったです。「枯葉」と言うよりも、「若葉」とでも言いたくなるような熱唱でした。そしてM.Mさんのラフマニノフ。輪郭のくっきりした骨太のラフマニノフでした。テクニカルな演奏難易度としては今回の曲目のなかでもトップクラスなのですが、誤魔化すことなく、情緒に流されることもなく、地に足のついた音楽を粘り強く作り上げていった感じです。ラフマニノフは、えてして「暗く」なりがちなんですが、一本骨の入った、これだけ健全なラフマニノフもそうそう聴けるものではないですね。ともあれ、M家は前進する音楽なのです。
<青年の音楽>
C.Gさん 英雄ポロネーズ
こういう曲なので、そう感じるのかもしれませんが、若々しい演奏でした。まさに青年の音楽。別の言い方をすれば、年齢を全く感じさせない演奏。英雄ポロネーズは、ピアノを頑張っている十代の男の子がいつかは弾きたい曲ナンバーワンでしょう(たぶん)。ここで、少年たちは、プロコフィエフとかラベルは目標としないのです。なぜなら、少年達は「英雄」的なものが大好きな単純な生き物だからです。しかしながら、相当に修練を積んでも、なかなか思うように気持ちよく弾けないものです(セミプロレベルの人は除く)。いつしか青雲の志は雲散霧消し、多くのピアノ少年はキーボードの上手なオジサンになってゆく訳です。C.Gさんは、青雲の志を忘れることなく(というか、目標にしていたかどうかはわかりませんが)、今回こうして、全力でこの壮大なポロネーズに格闘していた様子は、胸打たれるものがあります。志に近づく気持ちを持ち続ける、それ自体が、もう青年の音楽と言う他ないですね。
<機知の音楽>
E.Uさん カバレフスキー ソナチネ1番
カバレフスキーはソ連時代のロシアの作曲家。運動会定番のギャロップは誰でも知っているかとは思いますが、「それ以外の曲は?」と聞かれて答えられる人はそうそういないでしょう。ただ、非常に多くの教育用音楽を作ったので、日本ではピアノ学習者のみによく知られています。さて、そんなカバレフスキーのソナチネです。教育音楽ど真ん中な作品で、しかも、「教育音楽」から卒業する時の、総仕上げ的な作品。それなりに上達した子供たちが発表会などで弾く事が多いのですが、いかんせん「演奏が重い」。確かにテクニカルに難しい部分も多く、楽譜通りに頑張って弾こうとすればするほどに、重厚な演奏になってゆきます。が、カバレフスキーとしては、この曲は「パリッと爽やかに」弾く事を想定していたように思います。古典派・ロマン派のソナチネではなく、あくまで現代の新古典的なソナチネとして弾くのが正解でしょう。すなわち、機知溢れた音楽なのです。たまたま「学習用」というレッテルがあるために、プロによる演奏には恵まれませんが、内容はそれなりに変化に富んだ充実した作品です。ということで、さすがE.Uさん、実にパリッパリとすっきりした変幻自在なカバレフスキー的な演奏で私としては満足です。特に冒頭の重音の軽やかさ、諧謔味を引き出すために3楽章を弾き飛ばさずにあのテンポと曲想を保持したのもさすがです。
<随唱の音楽>
Y.Oさん・M.Oさん
ドビュッシー 前奏曲 雪の上の足跡、西風の見たもの、沈める寺、パックの踊り、ミンストレル
A.Oくん・M.Oさん シューマン リートとロマンス 第二集 二人の擲弾兵 Op49-1
ドビュッシーの前奏曲で二人のお名前があり、「連弾の編曲?あるいは違う楽器の編曲?」とか思っていたら、交互に弾いてゆくということでした。すぐさま、この曲はY.Oさん、この曲はM.Oさんと想定したら、その通りで、どんな演奏になるかもだいたい予想はついていたのですが、予想以上に夫唱婦随(婦唱夫随かな?いや、「氷炭相愛」がいいかな)な音楽になっていて感動しました。子供たちのノイズあふれる他ではありえない状況で聴く「雪の上の足跡」は、かえって音色がクリアに聞こえて「お汁粉に塩効果か?」と思ったりもしましたが、次の「西風の見たもの」で、極めて広いダイナミックレンジでM.Oさんの音色の成長を実感しつつ、周りのノイズは関係なく、そこに確かな音楽が林立していると感じました。で、同じようなノイズ状況で、「沈める寺」です。これまた痺れましたね。底の深い和音の連なりが決して分断されることなくクライマックスに向かって引き伸ばされてゆく様は圧倒的でした。そして、「パックの踊り」「ミンストレル」はあくまで軽妙にあっさりと弾き切っていて、爽快でした。ともあれ、このような演奏形式があることを認識しただけでも、大きな収穫です。まあ、誰と組むかが一番の難しい部分なのでしょうけどね。まだまだやんちゃな子供たちでしたが、やはりA.Oくんのシューマン、この親あって、この息子という感じで、簡易版の歌曲のヴァイオリン版でしたが、堂々とした演奏でした。ヴァイオリンは是非とも辞めずにこれからも続けて、様々な音楽体験を重ねていって欲しいなあと切に思いました。
<回想の音楽>
N.T嬢 ソナタOp110
N.Tさん 柴咲コウ 月のしずく
意図したかどうかは分かりませんが、ソナタOp110と「月のしずく」はどちらも「回想」をテーマとした音楽です。ためしに、月のしずくの歌詞を思い浮かべながら、ソナタOp110を聴くと、想像以上にしっくりきました(特に3楽章)。「月のしずく」の方は大変に有名な曲ですので、そんな凝ったことは考えずに「良い曲だから」ということで選んだのかもしれませんが、どちらにせよ、合奏しなくても、このように曲想がシンクロするというのはやはり家族なんだなと思います。十代にしてOp110を弾く、というと、年寄は「まだ早いのでは」と言いたくなる訳ですが、それこそ年寄の思い込みで、いい曲は誰にとってもいい曲なのです。ただ、N.T嬢がこの曲のどんな部分に惹かれたのかは、個人的に大変興味のある所ではありますが。演奏自体は、気負わない自然なもので、深い事は考えずに一つの美しい曲としてとらえているようでした。いや、もしかしたら、「遠い将来、N.T嬢が成熟した大人になって若い頃を回想するような時の心情」を妄想して、その妄想内容をこの曲に託したのかもしれませんが。N.Tさんの「月のしずく」は完全に自分自身の音楽としてじっくりと表現していて、心地よく聴くことができました。弾き語りは、どうのこうのいって結構難しいものですが、それでもしっとりと歌い上げていて素晴らしかったです。柴咲コウのやや演技がかった歌い方よりも、こちらの方が個人的には好みです。
<求心の音楽>
水本桂 女史 きらきら星変奏曲 熱情
求心といっても、心臓の薬ではありません(あれは「救心」か)。しかしながら、桂女史の演奏によって、心臓の拍動が激しくなってしまった人も多かったことでしょう。彼女の音楽の特質は、様々な音楽的要素がとある一点に向かって凝縮されてゆくその強力な求心力にあります。その特質が最も生かされる作品がベートーベンです。それも中期の作品。ということで、熱情は彼女にとってはどんぴしゃりの作品であると言えるでしょう。期待に違わず、彼女の特質が如何なく発揮された圧倒的な演奏でした。1楽章、3楽章の推進力は改めて言うまでもないことですが、2楽章の変奏曲の構築性もなかなか聴けるものではないです。技と勢いだけで押し切るタイプの人は、だいたい2楽章が死ぬほど退屈な演奏になるものですが、桂女史の2楽章は実に説得力に満ちた輝かしいものでした。彼女の音楽は、とにかく最後のコーダに向かって突き進んでゆくのです。おそらくは「台詞のない壮大な物語を体験した」という感慨を受けた人も多いと思いますが、まさにその感覚こそが「ソナタ形式」の体験なのです。反面、モーツアルトの変奏曲は、モーツアルトというよりはベートーベンの変奏曲といった感じでした。このロココ調(軽快・優美・繊細な装飾様式)な変奏曲が、ここまで硬質で構造を意識させるような演奏に変貌する事はそうそうある事ではありません。それでも説得力のある演奏になってしまう所が彼女の凄まじいところです。ともあれ、至福なひと時でした。
最後に、A.Mさん、司会がもう完全に板についてきましたね。3年前はマイクがなかったというのもあるけど、司会と言うより「独り言」っぽい雰囲気でしたが、今や堂々とした司会者ぶりです。何か音楽番組の司会もできそうな感じです。
ともあれ、充実した演奏会でした。
では失礼します。
~ここまで~
Oさんには、私からCDやDVDを送ったわけではなく、会場で生で聴いた音をどれだけ集中して聴き耳に記憶にやきつけていたのか、その凄さを感じます。
本当に、ありがとうございました!!!
カテゴリ:
アフタヌーン・ピアノンノ2014
2014年8月5日火曜日
AFTERNOON PIANONNO 2014 無事に終わりました!
日差しの焼けつく夏の毎日、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて。
いつもなら、プログラムを事前に掲載しているのですが、今年は私がすっかり忘れていたため、終わってからになってしまいました。申し訳ございませんでした。
2014年8月3日、晴天に恵まれ、無事、AFTERNOON PIANONNOを終えることができました。
今年は5回目になります。今年も守谷から大勢の音楽仲間さんたち、そしてピアノクラブの仲間たちが遠くから来て、いっぱい盛り上げてくださいました。まずは、御礼申し上げます。お疲れ様でした。ありがとうございました。
細かい全曲の所感は、後日掲載させていただきますが、まずはプログラム内容を掲載しておきます。
さて。
いつもなら、プログラムを事前に掲載しているのですが、今年は私がすっかり忘れていたため、終わってからになってしまいました。申し訳ございませんでした。
2014年8月3日、晴天に恵まれ、無事、AFTERNOON PIANONNOを終えることができました。
今年は5回目になります。今年も守谷から大勢の音楽仲間さんたち、そしてピアノクラブの仲間たちが遠くから来て、いっぱい盛り上げてくださいました。まずは、御礼申し上げます。お疲れ様でした。ありがとうございました。
細かい全曲の所感は、後日掲載させていただきますが、まずはプログラム内容を掲載しておきます。
●第一部
I.K/S.Kご夫妻 大友良英 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」オープニングテーマ
K.Mくん ボヘミア民謡 ぶんぶんぶん
C.Gさん ショパン ポロネーズ第6番「英雄」 Op.53
S.Sちゃん・K.Sさん Kristen Anderson-Lopez・Robert Lopez アナと雪の女王より 雪だるまつくろう♪
Y.Nさん ドビュッシー ベルガマスク組曲より 月の光
Y.Sちゃん チャイコフスキー スラブ行進曲
H.Kちゃん スピッツ チェリー
Mia & Assey J.Kosma 訳詞:岩谷時子 枯葉
E.Uさん カバレフスキー ソナチネ第1番 Op.13-1
M.Kちゃん 轟千尋 おつきさまのおはなし
K.Tさん/K.Sさん Kristen Anderson-Lopez・Robert Lopez アナと雪の女王より Let it go(連弾)
I.K/S.Kご夫妻 大友良英 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」オープニングテーマ
K.Mくん ボヘミア民謡 ぶんぶんぶん
C.Gさん ショパン ポロネーズ第6番「英雄」 Op.53
S.Sちゃん・K.Sさん Kristen Anderson-Lopez・Robert Lopez アナと雪の女王より 雪だるまつくろう♪
Y.Nさん ドビュッシー ベルガマスク組曲より 月の光
Y.Sちゃん チャイコフスキー スラブ行進曲
H.Kちゃん スピッツ チェリー
Mia & Assey J.Kosma 訳詞:岩谷時子 枯葉
E.Uさん カバレフスキー ソナチネ第1番 Op.13-1
M.Kちゃん 轟千尋 おつきさまのおはなし
K.Tさん/K.Sさん Kristen Anderson-Lopez・Robert Lopez アナと雪の女王より Let it go(連弾)
●第二部
K.Tさん バッハ フランス組曲 第5番 BWV816 より アルマンド
ブラームス ワルツ15番 Op.39-15
K.Mさん・A.Mさん シューマン 詩人の恋より「美しい五月には」
K.Tさん バッハ フランス組曲 第5番 BWV816 より アルマンド
ブラームス ワルツ15番 Op.39-15
K.Mさん・A.Mさん シューマン 詩人の恋より「美しい五月には」
K.Mちゃん・M.Mさん ミシェル・ルグラン キャラバンの到着
H.Kちゃん ツェルニー 羊飼い少年マーチ
イギリス民謡 きれいな花
K.Sさん ショパン ワルツ第10番 Op.69-2
ショパン ワルツ第14番 ホ短調 遺作
H.Sちゃん グルリット ロマンス
S.Mちゃん ギロック ほろ馬車
M.O/Y.Oご夫妻 ドビュッシー 前奏曲第1集より
雪の上の足あと
西風のみたもの
H.Kちゃん ツェルニー 羊飼い少年マーチ
イギリス民謡 きれいな花
K.Sさん ショパン ワルツ第10番 Op.69-2
ショパン ワルツ第14番 ホ短調 遺作
H.Sちゃん グルリット ロマンス
S.Mちゃん ギロック ほろ馬車
M.O/Y.Oご夫妻 ドビュッシー 前奏曲第1集より
雪の上の足あと
西風のみたもの
沈める寺
パックの踊り
ミンストレル
A.K & ノイジーファミリー 忍たま乱太郎より 勇気100%
●第三部
N.Tさん ベートーヴェン ソナタ31番 Op.110 第1楽章
A.Oくん・M.Oさん シューマン リートとロマンス第2集より 二人の擲弾兵 Op.49-1
Y.Mくん ブルグミュラー 天使の合唱
N.Tさん ベートーヴェン ソナタ31番 Op.110 第1楽章
A.Oくん・M.Oさん シューマン リートとロマンス第2集より 二人の擲弾兵 Op.49-1
Y.Mくん ブルグミュラー 天使の合唱
久石譲 天空の城ラピュタより シータの決意
A.Kさん B.リチャーズ 夕べのさえずり
N.Tさん 柴咲コウ 月のしずく
N.Mさん ドヴォルザーク ユーモレスク第7番 Op.101-7
M.Kちゃん・I.K/S.Kご夫妻 Kristen Anderson-Lopez・Robert Lopez アナと雪の女王より Let it go(家族バンド)
H.Nさん 坂本龍一 押尾コータロー編曲 戦場のメリークリスマス
M.Mさん ラフマニノフ Op.21-5 リラの花
ラフマニノフ Op.39-5 練習曲「音の絵」より第5番
A.Kさん B.リチャーズ 夕べのさえずり
N.Tさん 柴咲コウ 月のしずく
N.Mさん ドヴォルザーク ユーモレスク第7番 Op.101-7
M.Kちゃん・I.K/S.Kご夫妻 Kristen Anderson-Lopez・Robert Lopez アナと雪の女王より Let it go(家族バンド)
H.Nさん 坂本龍一 押尾コータロー編曲 戦場のメリークリスマス
M.Mさん ラフマニノフ Op.21-5 リラの花
ラフマニノフ Op.39-5 練習曲「音の絵」より第5番
●第四部 ~水本桂さん~
モーツァルト K.265 キラキラ星変奏曲
ベートーヴェン ソナタ23番「熱情」 Op.57 全楽章
モーツァルト K.265 キラキラ星変奏曲
ベートーヴェン ソナタ23番「熱情」 Op.57 全楽章
アンコール 妖怪体操第一
今回は特に、様々な趣向を凝らしたエンターテイメントや、時勢や流行にちなんだ選曲が多く、まさに今年独特のプログラムになったように思います。皆様の好きな音楽をやりたいという気持ちが素敵な形になったと思います。本当に、ありがとうございました!まずは、御礼まで。
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アフタヌーン・ピアノンノ2014
2013年9月1日日曜日
アフタヌーン・ピアノンノ2013~ユングの自分を棚上げ所感!!
もう夏休みも終わりですね。早いものです。もう秋風さよふけて、です。
そんなこんなで、おかげさまで、無事にアフタヌーン・ピアノンノ2013を終えることができました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
今回はけっこうな大曲が多かったせいでしょうか。時間もかなりいきましたが、バラエティに富んでいて、長いのに聴き疲れしないように思いました。
そんなわけで、後に作ったビデオを見ながら、あの雰囲気を思い出しながら、自分のことをしっかりと棚に上げて、所感を書かせていただきます。先に福島のOさんから、長文の素晴らしい所感を寄せていただいていますので、私の所感は今更ではありますが・・・いろんな方が、それぞれの視点で所感を書くのはきっといいことだろうと思います。いろんな見方、聴き方があるんだなと、人によって感じ方はいろいろ、それも含めて音楽は自由ですね。
★☆★☆ 第1部 ☆★☆★
● N.Tさん 坂本龍一 八重の桜
ユカタは私のオーダーでしたが、なんとノッてくれました!これホントに嬉しかった!このノリ好きだなあ。
演奏ですが、この子はきっと坂本龍一が合っているというか、聴かせ方をなぜか知っているというか・・・これは私にはできないですね。私も坂本龍一好きだしいくつか弾くけど、うまく聴かせられない。単なる技術ではないところでなにか掴んでいる子だと思います。
折り目正しく背筋が伸びるところ、激しく動揺するところ、ひととき彼女がつむぐ音に翻弄されるような気がしました。
● S.Tちゃん ギロック 海辺の歩道
いやー、子供が育つのは早いです。本当に上達してますね。ペダルもしっかり駆使してね。
ギロックのこのあたりの曲は、ちょうどこの年頃の女の子がちょっと背伸びしてお洒落な感じで弾くのがよく似合います。とってもいい感じでした。素晴らしい!
● S.Mちゃん ギロック 東洋の市場、ガラスのくつ
しーちゃんは好きでこの曲を選びましたが、なかなか苦労していました。東洋の市場、ぼそっぼそっとしたところ、表現できていたかなと思います。よく頑張ったねー。
● K.Mくん/ユング連弾 かえるのうた
まあ、初めての連弾なんてこんなもんですね。本人が出たいというので仕方なく仲の悪い親子でどつき合いながら練習しました。出たがりは親ゆずりです。終わった後、もう嫌になったかと聞いたら楽しかったと言うので、またどつき合いながらやるかもしれません。
● H.Kちゃん、A.Kさん連弾 マザーグース メリーさんの羊
子供にしては本当にしっかりと音出す女の子です。ママより音大きく出てるのは、ママが抑え気味にしてるのでしょうか。二人とも始めて間もないのにすごいです。
● オレ グリーグ At your feet、ギロック スターライトワルツ
やけくそで出たれと思って出ました。まあ、この日のベストは尽くしました。グリーグはもっと深く考えて弾きたいのですが、次回におあずけです。特に左手の弾き方について、もっといろいろ考える余地がありそうなんですが。
● H.Kちゃん おもちゃのマーチ
とっても自由闊達で元気な子。あいさつも元気。子供にしちゃあ、幼稚園年長にしちゃあ、本当に粒そろってるんだなあとビックリ。もしかして、ちゃんとメロディがどれとか意識しながら弾いてないか?すごいなあ、です。
● K.Sさん親子アンサンブル アンパンマンのマーチ
ママ編曲のこの曲。家族アンサンブル、いいですよね。みんなでそれぞれカバーし合って。一番下のSちゃんが、まんなかのお姉ちゃんにリードされながらタンバリン振ってるのがかわいらしいです。いい思い出になりますよね。
● I.Kさん リスト 愛の夢
Iさんは50手前でピアノを始めたチャレンジャーですが、もう愛の夢です。リストのオリジナルではないですけど、良い編曲で、雰囲気をオリジナルのまま、素敵に弾いて下さいました。この方の演奏は独特です。肩の力を抜いて、自然に、自然体に、無心に。素晴らしい音楽との付き合い方をされているなあと、幸せの音楽を楽しませていただきました。
● K.Tさん ジョン・レノン イマジン
私は本当に洋楽を知らず、これもほとんど知りません。でしたので、曲の意味とか全く分からないのですが、Tさんの中にある、pureで繊細で触ると壊れそうなまる裸の心がそのまま声になり弦になり、響いたように思いました。音楽とは、そうしたものですよね。
● M.Kちゃん/S.Kさん連弾 犬ふんじゃった
タイトルからして面白そうですが、これ簡単だと思いますか。どうでしょう。みなさん実際に弾いてみたら、案外難しいですよ。頭が途中で「犬?猫?????」になり手が止まります。
とってもリズミカルに、楽しく弾いてくれました。最後まで息ピッタリでした。
● A.Kさん リチャード・クレイダーマン 秋のささやき
まだ始めて1年ちょいですが、大人の演奏でクレイダーマン。秋のささやき、いい曲ですよね。
しかしものすごい速度で上達しているように思います。速いパッセージもよどみなく。この曲の素敵なところ、流れるところ、語るところ、みんな伝わっていました。あ、この曲弾いてみたいな、と思わせる演奏でした。
● N.Tさん 久石譲 Summer / 服部良一 蘇州夜曲
今回初めて参加してくださいましたが、雰囲気ある人です本当に。上手いのはもちろん上手いのですが、やはりありきたりな言葉にはなってしまうけど、聴かせ方を知っている?
弾き語りも相当慣れているのでしょう、自然で、まるで伴奏してもらって歌っているような感じ。声もまた素敵で、最後のWooo~はプロかよと思いました。
そして弾いている姿がまた絵になるピアニストさんです。
さらに、直接話してみると、本当に音楽を愛して音楽バカというかなんというか、音楽のことだけ考えてると幸せ~♪な感じの人です。素晴らしい仲間を見つけました。来てくれて本当にありがとう!!
● K.Sさん ベートーヴェン ソナタ月光3楽章
ご本人はかなり出来にショックを受けておられたようですが、私はゾクゾクして聴いていました。
とにかく大曲ですが、おどろおどろしいところ、スフォルツァンドで叩きつけるところ、心にバシッと来る演奏でした。細かいところは気にしても仕方ないのですが、目指すところがやはり厳しいところにあるのだろうと思います。私にとっては立派なブラボーです。
★☆★☆ 第2部 ☆★☆★
● N.Tさん親子連弾 ハチャトゥリアン 仮面舞踏会
わかってはいましたが、やはりイケイケ親子でした。この曲ならイケイケになるしかないですが、この二人は本当にそれを素でいく二人です。聴いててトリプルアクセル連発決めまくるバリバリの真央ちゃんが頭の中で踊りまくってました。サイコーでした!
● R.Oさん ドビュッシー 夢
ドビュッシーが似合う方ですね。なんとなーーーーーく、こう、ずーーーーーーっと同じような揺らぎの中を泳ぐような雰囲気を、ようく醸し出されていました。途中から少しcresかかるところも、ハデ過ぎず抑え目で、夢のまどろみの中にいるようでした。
● N.Tさん ドビュッシー 月の光、メンデルスゾーン 無言歌集より「Duetto」
和装で聴くドビュッシーもオツなものですが、なによりメンデルスゾーンが素晴らしかった。なにか清い心が水の流れがあって、なにか光り輝くものを与えられるような、上から光がさしてくるような、神々しさを感じました。ブラボーです。
● M.Iさん親子連弾 チャイコフスキー くるみ割り人形 序曲
有名な曲ですよね。本当に、速いテンポで人形が目の前で踊ったりコケたり落ちかかったり滑ったり。コミカルな様子が目に浮かぶような演奏でした。
技術的にはものすごいことなのだろうと思いますが、それを感じさせず、純粋に音楽に引き込まれました。ブラボーです。
● R.Oさん・J.Iさん連弾 フォーレ ドリーの子守唄
J.Iさんは初めてご参加いただきました。学生時代にピアノのサークルというのは私と共通点です。どんなサークルだったのか聞いてみたい気がします。
さて子守唄といいますが、何度聞いても私の頭の中には舟がうかぶので、私の中では舟歌です。
流れるようなメロディの受け渡しも素敵でした。次はぜひミャオもやってほしい。そしてソロもやってほしいです。
● K.Tさん ベートーヴェン ソナタ24番-1楽章
私が大好きな曲を弾いて下さるだけでも嬉しくなってしまいました。この曲ほんとに好きなんですよね。いい曲です。しっかりと弾いてくださってありがとうございます。
後期が始まるあたり以降のソナタは珠玉の宝石ですね。美しい。聴いていてなにかふっとひとつところに落ち着く。そして心地よい。澄んだそよ風に吹かれるような。ひととき田園風景の中にトリップさせていただきました。ブラボーです。
● T.Nくん ベートーヴェン エリーゼのために
オクターブが届かない小さな手でよく頑張りましたね。弾きたいという熱意があれば、たいていのことはできるものです。歳くってから音楽始めたおじさんたちも同じだよ。これからも、自由に音楽を好きで続けていってほしいですね。
● N.Iちゃん アレグロ、モーツァルト キラキラ★、バッハ メヌエット2番
バイオリン。始めて半年。小1。ほんとか??音ちゃんと取れてるし、それにメロディちゃんと流れてるし。
これはなんでしょうね。私はビックリしてしまいました。才能でしょうか。もっとこの子のことを知ってみたくなりました。とにかく驚きです。これからが楽しみですね。
● Y.Oさん ベートーヴェン 6つのパガテルより抜粋
ただただ、心の奥底の深い静けさの中で、自分の人生をなぞって、眺めているような、そしてそれを肯定して、ゆったりと穏やかな境地に座っている。
彼はどうしてこんな演奏ができるんだろう若いのに。
不思議です。昔から不思議でしたが、さらに不思議になりつつあります。
一度ゆっくり音楽の話でもしてみたいです。
★☆★☆ 第3部 ☆★☆★
● M.Mさん ショパン 舟歌
遠く岩手から来てくださいました。いつもありがとう。
今回プログラム唯一のショパン。これだけの長い難曲に挑戦するだけでもすごいことですが・・・
今回いろいろミスタッチを気にしていたようですが、彼女がなにをこの曲で表そうとしていたのかはわかりませんが、私が純粋に感じたのは、とにかく大きな流れやうねり、そしてゆったりと舟をこぐ時間が止まったような静けさ。そのダイナミックレンジの大きさがものすごかった。ああ、相変わらずスケールでかい音だけど、繊細なところが見え隠れするようになったと思います。また今回、今まで彼女の音からは聴いたことがなかった、不思議なしゅるしゅるっというような、滑るような音が出てきました。聴いていて思わずハッとした瞬間だったのですが、なにか新しい表現に挑戦しているのかなと思いました。素晴らしいですね。この歳でも音楽を好きで新しい試み。私も頑張ろうと思いました。
● H.Sちゃん 浜辺の歌
途中止まりかかりましたが、ちゃんとリカバリ、弾ききりました。
この歌、シンプルな旋律ですけど、こうしてぽろぽろ聴くとオツなものです。私は子供のころにオヤジが教えてくれた歌でした。ギロックもいいけど、こういう童謡をもっとやってもいいなあと思います。
● K.Sさん・K.Tさん連弾 ブラームス ハンガリー舞曲5番
毎回連弾やってくださるお二人。超有名曲です。
この曲は、弾いててきっと楽しいのだろうと思います。ひっそりしたかと思えばガツガツ激しく、変化に富んでいて面白い。スピード感あって、聴いててノッてしまいました。
この先子供たちが必ずどこかで合奏やらでやる曲でしょう。こういう有名どころが奏でられるのは素晴らしいですね。
● Y.Nさん ドビュッシー アラベスク1番
この曲の不思議世界、幾何学模様が飛び交う世界に案内されてふわふわ飛んだり坂を登ったり降りたりする様子が頭に浮かびます。とっても綺麗に弾いてくれたなあと、ここ一番の出来だったのではと思います。
● M.Oさん ラヴェル 道化師の朝の歌
譜読みも指も超難しそうな、そして曲そのものを理解するのも難しそうな曲ですが・・・
なんでこんな弾けるんでしょう。男前すぎます。
私は聴いていて、この曲とてもヤバイという気持ちになりました。なにかヤバイものに追われてダッシュで逃げたり隠れたりしてるような気がします。うう、こわいよー、って気持ちになる、つまりこの曲を見事に表現されていたのではと思います。終わった後は言葉が出ませんでした。ブラボーです。
● H.Kちゃん、パパ連弾 ドイツ民謡 青空
演奏中の体の揺らし方がパパとHちゃんとでシンクロしてるんですよね。そして終わった後はなんと、御姫様だっこ!それやるために衣装選んだな!!素晴らしい仲よし親子でした。
● Y.Mくん ブルグミュラー 清らかな小川
ブルグミュラーの中で有名ならしいですが、知りませんでした。練習ちっともしないで本番迎えました。無理にやらして音楽好きになるわけもないのでいいんですが、この曲の持つ、水が流れるような、キラキラ感や緩急はとても心地よかった。いつの間に、とちょっと嬉しくなりました。
下手でもいいから音楽を好きなまま、好きなように弾き続けていってほしいです。
● H.Nさん デビッドボウイ スターマン
私は本当に洋楽を知らないのですが、きっと原曲は全然雰囲気違うのでしょうね。ウクレレで、全く違う自分の歌にして自分のモノにして、新しい世界を作っている。そしてそれがとてもいい感じにコミカル。いいセンスだなあと、脱毛です。あいや、脱帽です。
● H.Nさん、K.Tさん、Y.Tさん Blur Tender
なんか、これはいいですねえ。
アメリカの荒野を、60年代のぼろい車でラジカセ流しながら旅しているような、古き良き時代の、ちょっとくたびれた感じがカッコいい、そんなにおいがしました。
カホンがかなりイケてました。
● A.KさんA.Kさん夫婦 FunkyMonkeyBabys ヒーロー
この二人の舞台度胸と言うか、ノリの良さ自由さというか、すごいですね。
その場が一気にカラオケ会場になってしまいました。持っていきかたが半端なく意表を突きます。
歌詞の「最寄駅の改札の~」が、どうしても「守谷駅の改札の~」に聴こえてしまい、面白かったです。
● K.Mちゃん 風の谷のナウシカ
私はほぼ同じ編曲のこの「鳥の人」を、20歳の時にピアノやるぞと決心して挑戦しまして挫折したことを思い出しました。ノーミスで弾けている彼女。やはりママの血でしょうか。弾いているときの姿勢も素晴らしく綺麗です。
曲からは、なにか小さなはかないものを大切に愛おしく守るような、そんなしみじみした演奏でした。遠いところをいつも来てくれてありがとう。
● Y.Sちゃん グルリット 夕べの歌
グルリットという作曲家を今回初めて知りました。
これ、いい曲ですねえ。音楽として。なにか、少し暗い、夜の森の中にいるような、そんな情景がわきます。素敵な演奏でした。
● M.Iちゃん バッハ シンフォニア10番、スカルラッティ ソナタK27、メンデルスゾーン 無言歌集より 紡ぎ歌
スカルラッティ、こんな素敵な曲だったんですねえ。目をつむって、この子が小学生であることも忘れて、曲のpureな世界に入っていけます。メンデルスゾーン、まあ楽しそうな、なんでしょうこれは。ミツバチがぶんぶん花畑を飛び回っているようですね。この情景の裏には、想像を絶する練習量があるに違いないわけですが、それを感じさせない、自然な軽快さと快活さ、そして楽しそうに弾く姿。素晴らしい子がいるものだなあと、嬉しくなってしまいました。ウルトラブラボーです。
● ユング夫婦連弾 ギロック 歩道のカフェテラス
この曲は、パリのどこだかわかりませんが、歩道にあるカフェ通りを、仲よし二人の男女が手をつないで踊りながらいくと、周りも楽しくなってみんな一緒に踊りに入って行く、そんな曲です。
そんな情景が伝わっていたらいいな、と思います。
● 瀧山晃弘さん スクリャービン 4つの小品Op.56-1、2つの詩曲Op.32ほか
昔からスクリャービンがライフワークで、いろいろ聴いていたのですが、やはり、学生時代とも少し違う演奏になったような気がしました。あまりにレベルが高いので、所感を書くにもすごく頭使うのですが・・・
以前は怪しいひたすら怪しい感じが前に立つ演奏だったように思うのですが、今回聴いた演奏は、少しそこを抑え気味にしているのか、あるいは他の神々しいところが前面に出てきているのか、なんというか、存在がより高いところにあるような気がしました。自分でも何言ってるのかよく分かりませんが(笑)激しいなら激しいで、より美しいそして理路整然とした激しさとでもいうのでしょうか。
でも、この瀧山さんの、小さな、ひそやかな、この世界はやっぱり変わっていない。瀧山さんだなあと、懐かしく思う演奏でした。聴けて本当に幸せです。遠く北海道から、ありがとうございました。
そんなわけで、またいつものように、単に私の妄想の話でしかない、感想文にすらならない程度ですが、自分を棚上げ所感でした。
今年のピアノンノでは、多くの方から「ピアノの調子が非常にいいのではないか、単なる調律以上の調整などしたのか」という質問を何人かの参加者の方からいただきました。
このログハウスのピアノは、1週間前に私が試弾して、かなり狂ってるなあと思いました。そして前日に、遠く青梅からヒラタピアノサービスの平田さんに調律に来ていただいたものです。
私もいつも平田さんに調律していただいた後に思うのですが、「違うピアノになってる!」という感じでした。音の周波数だけでない、なにか魔法がかかっているような。押した力のぶんだけの音が、素直にストレートに出てくれる。なんて弾きやすいんだろう。そう感じました。アフターでも弾いていてその感触が楽しくてたまりませんでした。
調律、大切ですねえ本当に。平田さん、遠いところをありがとうございました。
また来年も、こんな楽しい所感を書けますように。いつでも、その年のピアノンノがもしかしたら最後かもしれないと思いながら、大切にしていきたいと思います。
今回、遠くから足を運んでくださった、瀧山さん(北海道)、Mさん親子(岩手)、Oさん(福島)、Kさんご一家(横浜)、Fくん(東京)、T.Aさん(東京)、C.Gさんご一家(岡山)さん、遠いところ本当に、ありがとうございました。涙がちょちょぎれます。
プログラムの人物紹介文を寄稿くださった皆様、ありがとうございました。おかげさまで楽しいプログラムになったと思います。
プログラムの挿絵とキャンバスの絵を描いてくださった、岡山のC.Gくん、そして岩手のM.Mさん。本当に二人とも素晴らしい才能です。私には描けない・・・いつもありがとう。
また写真を撮ってくださっていた、H.Nさん、I.Kさん、N.Tさん。ありがとうございました。
そして、素晴らしい長文の所感を寄せてくださった福島のOさん。本当に、ありがとうございました。これは大変な作業だったと思います。ビデオも送ってないのに、本番の瞬間聴いていた音を感じてあの文章を起こすというのは、どれほどにか真剣に耳を澄ませて音楽を感じておられたのだなあと、これは本当に感動しました。
弾いてくださった皆様、拍手をくださった聴衆の皆様、騒いで盛り上げてくれた子供たち。そして、素敵なピアノ、あたたかいログハウス、夏の日差したち。
あの場にあった全てに、感謝します。ありがとう。奇跡のひとときでした。
また来年、あの素敵なホールでお会いできますように。
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アフタヌーン・ピアノンノ2013
2013年8月19日月曜日
福島のOさんによる演奏所感!!!ありがとうございます!!!
アフタヌーン・ピアノンノ2013、無事に終わりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!!
福島から毎年足を運んでくださっているピアノクラブOBのOさんが、今年は全奏者の所感を書いてくださいました!!
ピアノクラブ時代も、よくみんなの演奏についてよろづ帳に書いてくださっていたのを思い出します。
掲載許可をいただきましたので、名前をイニシャルにして掲載させていただきます。
~ここから~
<K.Tさん>― いきなり個人的な話になりますが私、最近実はギターの音楽ばかり聴いています。今の勤務校にギターマンドリン部というものがあり、結構間近で聴く機会があり、なんか落ち着くんですね。という訳で、ギターが聴けるというだけで嬉しい状況です。特に今回は超有名曲をしかも忌野版で熱唱していただき感謝感激です。
<Y.Tさん>―今回はパーカッションのみの参加でしたが、すごく端正な姿勢でピアノに向かっている様は絵になっていました(というか、どんな場面でも彼女の立居振舞には典雅さを感じるのですが)。Y.Tさんピアノ伴奏、K.Tさんギター弾き語りなんて来年やってくれないでしょうか?
<S.Tちゃん>―ギロック流行っているんですかね?と言いかけて、ピアノ学習者の定番である事を思い出しつつ、その年齢ごとの「物語」で弾いている様がよく伝わってきました。子供なりに子供の物語がつむげる曲って大事だなと思う今日この頃。
<H.Nさん>―H.Nさんといえば、私にとっては2年前のウクレレです。今はギター関係の音楽が好きなので、今回のウクレレも本当に落ち着きます。Starmanとウクレレって普通は結びつかないと思うんですが、独自の世界を作っていてすごいなあといつも感心します。できればいつかSting のfragileをやってほしいなあ、ウクレレで。
<Y.Nさん>―何の濁りもない無色透明って感じのドビュッシーのアラベスクでした。アラベスクって要は「幾何学的な模様」ですから、こういう透明感のある演奏に接するとすがすがしい気持ちになります。
<T.Nくん>―彼の演奏の時だけ小学低学年女子が取り巻いていたのが妙に気になったのですが、それだけ何か惹きつけるものがあるんでしょうね。超絶技巧体育会系ピアノじゃなくて、クールな内省的なピアノ弾きの男子に育ってほしいです。最終的にはそっちの方がモテます。
<I.Kさん>―「大人のピアノ」というとやはり二種類意味があって、一つは「酸いも甘いを知り尽くしたいぶし銀のような魅力のあるピアノ」、そしてもう一つは「大人からピアノを始めて技能と情熱とのアンバランスに格闘するピアノ」。だから、この編曲版「愛の夢」は非常に良い選択だったと思います。原曲であれば、なかなか大変で、弾くので手一杯で、伝えたいことも伝えられないのでは、大人からピアノを弾く意味がない。でも、この編曲なら、I.Kさんの歌いたいところも余裕をもって表現できたのではないでしょうか。
<S.Kさん、M.Kちゃん>―「犬ふんじゃった」の題名を聞いた時から「たぶんこういう曲だろうなあと予想していたのですが、想像以上にうまく作ってあって感心しました。「猫のお巡りさん」だと大昔に流行って、今だったら動物虐待にしかみえない「なめ猫」を連想させるのでダメなんじゃないでしょうか。こういう音楽遊びもとても大切だと思います。
<K.Sさん>―ベートーヴェンのソナタ作品27-2「月光」、頑張りましたねえ。普通、ああいう風に止まったらなかなか元には戻れないものですが、根性あります。偉そうに助言するなら、譜読みの段階で和声進行をきっちり把握しておき、練習の時でも弾きながらいつもその和声の流れを意識しておくと良いと思います。和声(コード)さえ間違ってなければ、あとは即興でもどうにかなります。そういう意味でハンガリー舞曲は、分担が決まっているので弾きやすかったと思います。ともあれ、努力の人ですね。
<H.Sちゃん>―浜辺の歌。こういうメロディが歌い継がれるというのも大事だなあと思います。小さいころはなんとなく弾いただけの曲こそ、実は大人になった時に強烈に思い出されるものなのです。そういう意味で、こういう場所で「弾いた」というのは彼女の財産になるでしょう。DVDにも残る訳ですし、「聴いた事がある」のと「弾いた事がある」のとでは雲泥の差です。
<Y.Sちゃん>―グルリット、まるで冗談のような名の音楽家ですが、ピアノ学習者には馴染がある人でしょう。でも、どれだけ作品があって、ピアノ学習者以外の演奏はあるのかとなると本当に限られたチャンスしかないというのが現状でしょう。私も今回の曲、初めて聴きました。初心者でもやはり自分で表現できる曲がたくさん用意されているというのはいいことだと改めて思いました。
<H.Sちゃん>―今、演劇部の顧問をやっているのですが、リズム感がない生徒というのがいて、「若者はリズム感がある」というのは勝手な思い込みであることを痛感しています。しかし、最近では「リズム感がないのではなく、その人特有のリズムが生まれながらそれぞれにあり、人々とのかかわりの中でリズムの共有がなされてゆく」と考えるようになりました。つまり、H.Sちゃんには、当然まだ十分な社会性はない訳で、同じアンパンマンのマーチでも、彼女の身体リズムはああいう風なんだなと思う訳です。つまり原初のリズムを聞くことができて、貴重な体験でした。さて、これからどうなってゆくのでしょう。来年が楽しみです。
<N.Tさん>-また良い人が仲間に入ってくれましたね。ピアノ演奏にせよ歌にせよ、本当に懐が広いというか華があるというか、人に音楽を伝える術と想いが明確にあるというのが素晴らしいです。プロであっても全く遜色ない存在感もあったのですが、やはり本当に好きな事は仕事にはしたくないという感じなのでしょうか。あるいは、いろいろな運命の流れの中でたまたま今に落ち着いているのかな。
<N.T(娘)さん>-この年頃の子って、こういう何とも言えない「場」に出るのはためらうものだと思うんですけど、本当に飄々と何気なく音楽を作ってゆきますよね。彼女くらいの技能を持った同世代の人はいっぱいいると思うのですが、10代特有の自意識というのが邪魔して、なかなかにああいう風に自然体には弾けないものです。そういう意味でどんな大人になるんだろうと楽しみです。というか、すでに完成されている雰囲気があるので、二十年たっても、見た目も中身もそれほど変わってないような気もしますが。
<R.Oさん・J.Iさん>-このお二人、フランス近代作品を弾いた訳ですが、「こういう風に表現したい!」というのが本当によく伝わる演奏だったと思います。誤解を招きそうな表現ですが、いつまでも失われない「乙女の心」を感じますね。コンサートホールでなく、こういうサロンで聴きたい演奏です。
<K.Tさん>-K.Sさんと並んでこの人も「ガッツの人」ですよね。そして、今回弾いたベートーヴェンのソナタ24番作品78「テレーゼ」、あえてこれを選ぶというのもなかなかいいなあと思いました。演奏も骨太で聴きやすかったです。
<M.Iさん>-ピアノという物体がその家にとって「音の出る家具」なのか「音楽を産み出す神秘の箱」なのかによって、子供の音楽的な環境はだいぶんと違うでしょう。音楽を表現する才能というものは厳然としてあるのは事実ですが、それが開花するかどうかはまさに環境です。そういう意味でM.Iさんは非常に良い環境を子供たちに与えているんだろうなあと演奏を聴きながら想像しました。
<M.I(娘)さん>-相変わらずとばしていましたが、この年頃であれば「自分が出来うる事を思い切りやりきりたい」という想いも強いと思うので、今後様々な経験(音楽以外の)を重ねて音楽を作っていってほしいです。バッハのシンフォニア、きちんと声部の弾き分けができていて縦・横のラインはばっちりです。あとは、この抽象的な小宇宙をさらにどのように表現できるか模索していってほしい。スカルラッティ、なんの衒いもない非常に素直な好感のもてる演奏でした。できればスカルラッティの555曲ある鍵盤のためのソナタのより多くの作品を知り、自分が今弾いている作品が全体の中でどんなキャラクターなのかを考えてみてください。メンデルスゾーンの無言歌はやはり自分の側に共感できる何かがあるのか、非常に説得力のある演奏でした。今後の大きな課題はテクニカルな面と精神面とのバランスをどうとっていくかです。技術的に難しい作品は、たいてい精神面でも難しい。この年齢でこのテクニカルなレベルに達していると、この先「何をいかに弾いてゆくのか」が難しいなあというのが私の心配です。精神面で易しく、技術的に難しい作品はやはり「曲芸的」になりがちで、いろいろやった後に楽しみとして挑戦するのはいいですが、弾けるからといって若いころにそういうのばかり弾くのもどうかと思います。個人的には「王道」を進むべきと思います。さて、来年はどうなっているでしょうか?
<N.Iさん>-音への感受性が素晴らしいですね。ピアノをやっていると、鍵盤を押すと音は勝手に出てくるし、出てくる音にも鈍感になりがちですが、ヴァイオリンは「音が命」。よって、ヴァイオリンの才能はまず「音が聴けるか」というのが一義的にあります。当たり前ですが、音程を定めなければなりません。そして、音色もすべて自分で決めてゆきます。そういう点で今回、この年齢で、その作品に必要な音をきちんと出せていると言うだけで凄いです。やはりこれは持って生まれたもの+環境ですねえ。
<A.Kさん・A.Kさん・H.Kちゃん>-どうのこうのいって、夫婦(家族)で音楽ができるのってうらやましいです。あんまり人の事、うらやましいなんて思わない方なんですけど(基本、「人は人、自分は自分」という基本スタンスで幼児から生きてきたので)、「夫婦で音楽」だけは「人は人」で済まされない何かがあるような気がするんですよね。特にこのお二人(+お嬢さん)はそれを強く感じました。学校の先生やっていると、どうしても「家庭環境」というものに直面しなければならず、夫婦仲が悪ければやはり子供はいろいろ問題を抱えている事が多い。子は鎹(かすがい)とはよく言いますが、それは子育てという共通の目的が衝突の抑制力になるという事だと思うのですが、逆に考えれば鎹になっているからこそ、子供は傷ついているんです。別に、世の中もともと何もなくても仲の良い家庭も多々あると思うのですが、一緒に音楽をやるとなったら、なおさらにもっと具体的で精神的なつながりを確認しなければできない訳で、音楽が鎹となるならば、理屈の上では皆がもっとハッピーになるはずで、ふとアフタヌーンピアノンノって家庭円満に大きく貢献しているのではと思ったりして。ちょっと楽観的すぎるかな。
次にピアノクラブの人々。
<Y.Oさん>-ピアノクラブきっての理論派がベートーヴェンのバガテルに行きつくのはちょっと早いのではと思ったんですが、考えて見れば全然早くないですね。彼の明晰な頭脳をもってすれば、同じ時間でも、私なんかよりも多くを見て、多くを経験し、ある種の境地に達していると思われます。つまり、私の精神年齢はとうに追い越しているでしょう。でも、バガテルは枯れた回想の音楽じゃあないんですよ。ベートーヴェンの後期の作品は、悪戦苦闘した上での「俯瞰の音楽」なんだと個人的には思っています。奥さんも言っていますが、「悟り」には確かにまだはやい。「悟り」の前段階の「俯瞰」だと思うのです。
<M.Oさん>-去年、「ペダルをほとんど使わないラヴェル」という離れ業をやってのけた訳ですが、今年もまたペダルは最小限で「道化師の朝の歌」を弾いてくれました。旦那さんの指摘のように、ラヴェルの作品は(ドビュッシーの仲間ではなく)古典派の延長であり、ペダルは最小限に抑えて音色の微調整に徹する方が美しく響くようにできているのです。しかし、単純に古典派のように繊細に明晰に弾いていればいいってもんでもない。現代ピアノのための音楽なので、ピアノの機能を最大限に活用した作品でもある。つまりは、繊細にかつ大胆にという相矛盾する音楽なのがラヴェルなのです。と言う訳で、アクセント・リズムもきっちりしていて、大変に豪快なラヴェルでよかったです。
<A.Mさん>-弾く曲、何を選ぶかが私にとってはいつも注目の的なんですが、グリーグは全く予想がつきませんでした。しかも抒情小曲集作品68-3の「あなたの傍で」を弾くとは。ロマン派ど真ん中の中年男性が弾くには気恥ずかしさすら覚えるこの曲を弾く(たぶん、純粋にブラームスっぽい曲として選んだとは思うんですが)のにある種の男儀(別の言い方をすれば父性)を感じますね。これ弾いて、後で奥さんと連弾で「歩道のカフェテラス」とか私は恥ずかしくて無理です(というか色々と別の面で演奏はできないと思いますが)。で、演奏ですが、メロディラインが途切れる部分の間の味わい、そして息の長い歌の部分のカンタービレも大変よかったと思います。たぶん、子供だとまだこういう風には弾けないんですよ。それらしく表情をつけて上手く弾けるとは思うのですが、「それらしい表情」と「まさにこの表情」とは雲泥の差があるわけで。最近、演劇部の顧問やっているもんで、そういう作為というものに敏感になっております。
ギロックの星空円舞曲、歩道のカフェテラスですが、ワルツを弾く時には3拍目に意識をしてみてください。強く弾けということではありません。意識をちょっとそこに傾けるということです。ズン・チャッ・チャのチャです。西洋音楽は基本的にはアクセントがあるのは最後の拍です。しかし、どこで間違ったか、何故か日本の音楽教育の中で、最初の拍にアクセントがあるように教えるようになったので、最初の拍を強調する癖がついている人が大半です。でも、ホントはそうじゃないのです。一例として、ショパンのワルツ作品64-2を聴いてください。最後の拍にアクセント的なフレーズがあるかと思います。分かりにくければ、同じ曲をラグ(2拍子)に編曲したものを聴いてください。違和感ないということは、もともと裏拍(アフタービート)にアクセントがあったということです(それを誇張している)。ただし、西洋音楽でも民族音楽を取り入れているような作品(ハンガリー舞曲、トルコ行進曲など)はあえて最初の拍を強調しています。強調することで、民族音楽ぽっさを出しているのです。ジャズ・ポップス・ロックはもともと西洋音楽にある裏拍(アフタービート)をもっと強烈に前面に出したものです。ジャズ系のクラシックならガーシュインの前奏曲、ロックでいえば紫の煙なんかは典型的ですね。と言う訳で、3拍目に意識を集中すると、もっとワルツっぽく躍動感がでてきます。繰り返しますが、音を大きくするという事ではないです。意識を向けるということです。特に歩道のカフェテラスでは、ベース担当(つまりペースメーカー)ですので、曲の雰囲気を決めるのはお父さんです。
<N.Mさん>-N.Mさんに限らず、お子さんのいる人々の切り替えの速さにはいつも感心することしきりです。本当に演奏直前までバタバタしていても、いざピアノの前に座ると完全に音楽の世界に没入できるというのが、凄い。夫婦連弾では「子供なんていないんじゃないの?」と感じるくらいに二人だけの世界になっていて、曲想もあいまってその仲睦まじさにアフタヌーンピアノンノの全体の空気をつくっているように感じました。ちなみに、「歩道のカフェテラス」って、ちょっと妙だなあと思って原題を調べてみたら、Sidewalk Cafeでした。これなら、単純に「カフェテラス」でいいと思います。Cafe Terraceはもともとイタリア語で、歩道や野外にあるカフェのことです。つまり、「歩道のカフェテラス」って、「豆の煮豆」みたいな訳なんですね。
<Y.Mくん・S.Mちゃん・K.Mくん>-3人とも「音楽がとことん好き」というよりも、様々なやりたい事の中に「音楽もある」という感じで、これくらいのペースで音楽と関わってゆくのがいいのかなと思います。楽器の演奏というのはつきつめれば、いくらでも先があり、その先を考えると段々と嫌になり、中学あたりで「楽器演奏は一切シャットアウト」という事になりがちなんですが、最初から程良い距離感があれば、末永く自分の世界の一部として保持する事ができるでしょう。保持する事ができればその年齢ごとの琴線に触れる音楽の出会いがあり、違った形で自分なりの音楽世界を作ってゆく事ができるでしょう。まあ、今後どんな事に興味が増して、情熱の分配というのがどうなるかはわからないので「音楽はとりあえずもういいや」と言う風になるかもしれませんけど。ただ、Kくんに関しては、なんとなくですけど、高校生あたりで「ドラムやりたい」とか言い出しそうな気が。と言う訳で、打楽器をやっているような錯覚を与える「太鼓の達人」とか「太鼓さん次郎」とかはなるべくやらせない方がいいかもしれません。え?すでにやってる?それじゃあ、しょうがないですね。まあ、長い目で見守りましょう。
<M.Mさん>-相当に大昔に私がショパンに夢中だったころ、技術的に難易度の高くないワルツとかマズルカとかノクターンとかプレリュードとかエコセーズとかを結構弾いていました。で、技術的な問題はあるにせよ、自分はショパンの音楽の理解者・代弁者だと思い込んでいたものです。若気の至りでなんたる傲慢な考えだったかは、ちょっと世界を広げれば痛いほど分かる事でした(上手く弾ける人がいるということでなく、ショパンはそんな単純な音楽ではないということに気付く)。ショパンには、ピアニストに「自分はショパンを理解している・代弁者だ」と言う風に勘違いさせる「麻薬みたいな何か」があるんですね。ことにそれは技術的に難易度が高まれば高まる程に強くなり、プロのピアニストとなっても、「ショパンのスペシャリスト」とか平然と宣言する人が後を絶たない訳です。まあ、それぞれのピアニストにそれぞれのショパンがあるのですね。それはショパンの音楽が「不正解はあっても正解のない」ものだからです。よって、ショパンだけしか弾かないショパンコンクールも成り立つ。冷静にショパンについてきっちり考えるならば、時間はいくらあっても足りないし、そう簡単に演奏の正解も見いだせない。よって、理知的・構築的なピアニストはたいていメインレパートリーにショパンはほとんど入れません(ブレンデル、グールド、ケンプ、バックハウス、シュナーベル、ゼルキン)。いわゆるショパンがレパートリーの中心というピアニストは「思いこみが激しい」というか「自己中心的」というか「直感的」というか、そんなタイプのピアニストが多いような気がします(ルービンスタイン、コルトー、ロシアピアノスクールの面々、パデレフスキ、パハマン、フランソワ、などなど多数)。ま、そうでないと演奏会なんてできないと思います。
前置きが長くなりましたが、M.Mさんの「舟歌」、「いい曲だから弾いてみた」という以上でもなければ以下でもない、ある意味でストレートな演奏でした。大人になれば、アマチュアは特にそうですが、「自分のショパンはこうよ!」的な「アク」出てくるものですが、そういうのは全然ないです。よくニコニコ動画とかで「~を弾いてみた」というタイトルのものがありますが、その気の抜けた言い方に反して「君、相当に練習しているだろう!」というのが多くて(例えば、去年からネット上でヒットしている千本桜のピアノバージョンなんて、かなり練習しなければ弾けないでしょう。「弾いてみた」とかいう気易い決意ではできないはず)、M.Mさんの演奏もそれに通じるものがあります。ただひたむきに弾いてみた、その結果、音楽そのものが単純につむぎだされる。音楽に力強さを感じますね。今回は、たまたまショパンだったけど、彼女の場合、なんでもそうなんですよね。
<K.Mさん>-ナウシカいいですね、やはり。ペダルなしというのがもったいないと最初は思っていましたが、原曲が名曲なんでポツポツ弾くのもなんだか味わいがあってよかったです。久石譲って、一般的に凄く人気のある作品と優れた作品とが微妙にずれている事が多いんですが、ナウシカに関しては宮崎・高畑コンビに推されて初めて起用された経緯もあり、人気と内容とが一致している素晴らしい作品です。やはりジブリ第一作というのもあるんでしょうけど、気合いが入っている感じがします。そう考えると、「トトロ」じゃなくて「ナウシカ」を選ぶというのがやはり、K.Mさんの成長の証なのかもしれませんね。
<瀧山晃弘さん>-瀧山さんの何が凄いって、一度もピアノを触らずにいきなりあの音色が出せるということです。普通、プロだってリハはやるでしょう。会場での響き具合とかタッチとかペダルの具合とかを微調整する。彼はそれなしで、あの音を出せるんです。ガチャガチャ音を出すだけだったら、ピアノをそれなりに弾ける人だったらリハも要らないかもしれない。でも、弾くのは神智学のスクリャービンなのですよ。もちろん彼としては満足のいく演奏ではないのは重々承知の上で書くなら、もう身体と音楽が一体化しているとしか言いようがない。ピアノは単なる彼の頭にある音楽の媒介装置に過ぎないのではと思ってしまいます。
さらに彼の凄いのは、常に新たな道へ進もうとしているところです。「まだ先がある」と妥協せずに探求し続けている姿は全くもって音楽家の鏡です。今年は去年とはまた違った演奏でした。去年は見通しのいい明晰な音楽作りを志向していた感じですが、今年は全体の構成はしっかりしているにもかかわらず、部分部分に多彩なニュアンスが盛り込まれていて、まさに芳醇なスクリャービンでした。ここまでスクリャービンに傾倒しているアマチュアはそんなにいないでしょう。たぶん日本に限って言えば、アマチュア(セミプロか?)スクリャービン弾きベスト3には必ず入ると思います。アフタヌーンピアノンノに来てくださるのは本当にありがたいことです。
話とびますが、昨日「パシフィックリム」というハリウッド版ロボットVS 怪獣映画を見に行ったのですが(もし巨大ロボットと怪獣が好きでまだ見てなかったら、映画館で3D見る事を強くお勧めします)、その中で準主役の菊地凛子が水本桂さんに似ていたので、来年はまた彼女の力強い演奏を聴きたいなあと思ったことでした。
では、来年もよろしく!
~ここまで~
Oさん、遠いところから来てくださり、まだDVDお渡ししていないにも関わらず、こんな長文の所感をお寄せくださり、感謝感激です。
ありがとうございます!
福島から毎年足を運んでくださっているピアノクラブOBのOさんが、今年は全奏者の所感を書いてくださいました!!
ピアノクラブ時代も、よくみんなの演奏についてよろづ帳に書いてくださっていたのを思い出します。
掲載許可をいただきましたので、名前をイニシャルにして掲載させていただきます。
~ここから~
<K.Tさん>― いきなり個人的な話になりますが私、最近実はギターの音楽ばかり聴いています。今の勤務校にギターマンドリン部というものがあり、結構間近で聴く機会があり、なんか落ち着くんですね。という訳で、ギターが聴けるというだけで嬉しい状況です。特に今回は超有名曲をしかも忌野版で熱唱していただき感謝感激です。
<Y.Tさん>―今回はパーカッションのみの参加でしたが、すごく端正な姿勢でピアノに向かっている様は絵になっていました(というか、どんな場面でも彼女の立居振舞には典雅さを感じるのですが)。Y.Tさんピアノ伴奏、K.Tさんギター弾き語りなんて来年やってくれないでしょうか?
<S.Tちゃん>―ギロック流行っているんですかね?と言いかけて、ピアノ学習者の定番である事を思い出しつつ、その年齢ごとの「物語」で弾いている様がよく伝わってきました。子供なりに子供の物語がつむげる曲って大事だなと思う今日この頃。
<H.Nさん>―H.Nさんといえば、私にとっては2年前のウクレレです。今はギター関係の音楽が好きなので、今回のウクレレも本当に落ち着きます。Starmanとウクレレって普通は結びつかないと思うんですが、独自の世界を作っていてすごいなあといつも感心します。できればいつかSting のfragileをやってほしいなあ、ウクレレで。
<Y.Nさん>―何の濁りもない無色透明って感じのドビュッシーのアラベスクでした。アラベスクって要は「幾何学的な模様」ですから、こういう透明感のある演奏に接するとすがすがしい気持ちになります。
<T.Nくん>―彼の演奏の時だけ小学低学年女子が取り巻いていたのが妙に気になったのですが、それだけ何か惹きつけるものがあるんでしょうね。超絶技巧体育会系ピアノじゃなくて、クールな内省的なピアノ弾きの男子に育ってほしいです。最終的にはそっちの方がモテます。
<I.Kさん>―「大人のピアノ」というとやはり二種類意味があって、一つは「酸いも甘いを知り尽くしたいぶし銀のような魅力のあるピアノ」、そしてもう一つは「大人からピアノを始めて技能と情熱とのアンバランスに格闘するピアノ」。だから、この編曲版「愛の夢」は非常に良い選択だったと思います。原曲であれば、なかなか大変で、弾くので手一杯で、伝えたいことも伝えられないのでは、大人からピアノを弾く意味がない。でも、この編曲なら、I.Kさんの歌いたいところも余裕をもって表現できたのではないでしょうか。
<S.Kさん、M.Kちゃん>―「犬ふんじゃった」の題名を聞いた時から「たぶんこういう曲だろうなあと予想していたのですが、想像以上にうまく作ってあって感心しました。「猫のお巡りさん」だと大昔に流行って、今だったら動物虐待にしかみえない「なめ猫」を連想させるのでダメなんじゃないでしょうか。こういう音楽遊びもとても大切だと思います。
<K.Sさん>―ベートーヴェンのソナタ作品27-2「月光」、頑張りましたねえ。普通、ああいう風に止まったらなかなか元には戻れないものですが、根性あります。偉そうに助言するなら、譜読みの段階で和声進行をきっちり把握しておき、練習の時でも弾きながらいつもその和声の流れを意識しておくと良いと思います。和声(コード)さえ間違ってなければ、あとは即興でもどうにかなります。そういう意味でハンガリー舞曲は、分担が決まっているので弾きやすかったと思います。ともあれ、努力の人ですね。
<H.Sちゃん>―浜辺の歌。こういうメロディが歌い継がれるというのも大事だなあと思います。小さいころはなんとなく弾いただけの曲こそ、実は大人になった時に強烈に思い出されるものなのです。そういう意味で、こういう場所で「弾いた」というのは彼女の財産になるでしょう。DVDにも残る訳ですし、「聴いた事がある」のと「弾いた事がある」のとでは雲泥の差です。
<Y.Sちゃん>―グルリット、まるで冗談のような名の音楽家ですが、ピアノ学習者には馴染がある人でしょう。でも、どれだけ作品があって、ピアノ学習者以外の演奏はあるのかとなると本当に限られたチャンスしかないというのが現状でしょう。私も今回の曲、初めて聴きました。初心者でもやはり自分で表現できる曲がたくさん用意されているというのはいいことだと改めて思いました。
<H.Sちゃん>―今、演劇部の顧問をやっているのですが、リズム感がない生徒というのがいて、「若者はリズム感がある」というのは勝手な思い込みであることを痛感しています。しかし、最近では「リズム感がないのではなく、その人特有のリズムが生まれながらそれぞれにあり、人々とのかかわりの中でリズムの共有がなされてゆく」と考えるようになりました。つまり、H.Sちゃんには、当然まだ十分な社会性はない訳で、同じアンパンマンのマーチでも、彼女の身体リズムはああいう風なんだなと思う訳です。つまり原初のリズムを聞くことができて、貴重な体験でした。さて、これからどうなってゆくのでしょう。来年が楽しみです。
<N.Tさん>-また良い人が仲間に入ってくれましたね。ピアノ演奏にせよ歌にせよ、本当に懐が広いというか華があるというか、人に音楽を伝える術と想いが明確にあるというのが素晴らしいです。プロであっても全く遜色ない存在感もあったのですが、やはり本当に好きな事は仕事にはしたくないという感じなのでしょうか。あるいは、いろいろな運命の流れの中でたまたま今に落ち着いているのかな。
<N.T(娘)さん>-この年頃の子って、こういう何とも言えない「場」に出るのはためらうものだと思うんですけど、本当に飄々と何気なく音楽を作ってゆきますよね。彼女くらいの技能を持った同世代の人はいっぱいいると思うのですが、10代特有の自意識というのが邪魔して、なかなかにああいう風に自然体には弾けないものです。そういう意味でどんな大人になるんだろうと楽しみです。というか、すでに完成されている雰囲気があるので、二十年たっても、見た目も中身もそれほど変わってないような気もしますが。
<R.Oさん・J.Iさん>-このお二人、フランス近代作品を弾いた訳ですが、「こういう風に表現したい!」というのが本当によく伝わる演奏だったと思います。誤解を招きそうな表現ですが、いつまでも失われない「乙女の心」を感じますね。コンサートホールでなく、こういうサロンで聴きたい演奏です。
<K.Tさん>-K.Sさんと並んでこの人も「ガッツの人」ですよね。そして、今回弾いたベートーヴェンのソナタ24番作品78「テレーゼ」、あえてこれを選ぶというのもなかなかいいなあと思いました。演奏も骨太で聴きやすかったです。
<M.Iさん>-ピアノという物体がその家にとって「音の出る家具」なのか「音楽を産み出す神秘の箱」なのかによって、子供の音楽的な環境はだいぶんと違うでしょう。音楽を表現する才能というものは厳然としてあるのは事実ですが、それが開花するかどうかはまさに環境です。そういう意味でM.Iさんは非常に良い環境を子供たちに与えているんだろうなあと演奏を聴きながら想像しました。
<M.I(娘)さん>-相変わらずとばしていましたが、この年頃であれば「自分が出来うる事を思い切りやりきりたい」という想いも強いと思うので、今後様々な経験(音楽以外の)を重ねて音楽を作っていってほしいです。バッハのシンフォニア、きちんと声部の弾き分けができていて縦・横のラインはばっちりです。あとは、この抽象的な小宇宙をさらにどのように表現できるか模索していってほしい。スカルラッティ、なんの衒いもない非常に素直な好感のもてる演奏でした。できればスカルラッティの555曲ある鍵盤のためのソナタのより多くの作品を知り、自分が今弾いている作品が全体の中でどんなキャラクターなのかを考えてみてください。メンデルスゾーンの無言歌はやはり自分の側に共感できる何かがあるのか、非常に説得力のある演奏でした。今後の大きな課題はテクニカルな面と精神面とのバランスをどうとっていくかです。技術的に難しい作品は、たいてい精神面でも難しい。この年齢でこのテクニカルなレベルに達していると、この先「何をいかに弾いてゆくのか」が難しいなあというのが私の心配です。精神面で易しく、技術的に難しい作品はやはり「曲芸的」になりがちで、いろいろやった後に楽しみとして挑戦するのはいいですが、弾けるからといって若いころにそういうのばかり弾くのもどうかと思います。個人的には「王道」を進むべきと思います。さて、来年はどうなっているでしょうか?
<N.Iさん>-音への感受性が素晴らしいですね。ピアノをやっていると、鍵盤を押すと音は勝手に出てくるし、出てくる音にも鈍感になりがちですが、ヴァイオリンは「音が命」。よって、ヴァイオリンの才能はまず「音が聴けるか」というのが一義的にあります。当たり前ですが、音程を定めなければなりません。そして、音色もすべて自分で決めてゆきます。そういう点で今回、この年齢で、その作品に必要な音をきちんと出せていると言うだけで凄いです。やはりこれは持って生まれたもの+環境ですねえ。
<A.Kさん・A.Kさん・H.Kちゃん>-どうのこうのいって、夫婦(家族)で音楽ができるのってうらやましいです。あんまり人の事、うらやましいなんて思わない方なんですけど(基本、「人は人、自分は自分」という基本スタンスで幼児から生きてきたので)、「夫婦で音楽」だけは「人は人」で済まされない何かがあるような気がするんですよね。特にこのお二人(+お嬢さん)はそれを強く感じました。学校の先生やっていると、どうしても「家庭環境」というものに直面しなければならず、夫婦仲が悪ければやはり子供はいろいろ問題を抱えている事が多い。子は鎹(かすがい)とはよく言いますが、それは子育てという共通の目的が衝突の抑制力になるという事だと思うのですが、逆に考えれば鎹になっているからこそ、子供は傷ついているんです。別に、世の中もともと何もなくても仲の良い家庭も多々あると思うのですが、一緒に音楽をやるとなったら、なおさらにもっと具体的で精神的なつながりを確認しなければできない訳で、音楽が鎹となるならば、理屈の上では皆がもっとハッピーになるはずで、ふとアフタヌーンピアノンノって家庭円満に大きく貢献しているのではと思ったりして。ちょっと楽観的すぎるかな。
次にピアノクラブの人々。
<Y.Oさん>-ピアノクラブきっての理論派がベートーヴェンのバガテルに行きつくのはちょっと早いのではと思ったんですが、考えて見れば全然早くないですね。彼の明晰な頭脳をもってすれば、同じ時間でも、私なんかよりも多くを見て、多くを経験し、ある種の境地に達していると思われます。つまり、私の精神年齢はとうに追い越しているでしょう。でも、バガテルは枯れた回想の音楽じゃあないんですよ。ベートーヴェンの後期の作品は、悪戦苦闘した上での「俯瞰の音楽」なんだと個人的には思っています。奥さんも言っていますが、「悟り」には確かにまだはやい。「悟り」の前段階の「俯瞰」だと思うのです。
<M.Oさん>-去年、「ペダルをほとんど使わないラヴェル」という離れ業をやってのけた訳ですが、今年もまたペダルは最小限で「道化師の朝の歌」を弾いてくれました。旦那さんの指摘のように、ラヴェルの作品は(ドビュッシーの仲間ではなく)古典派の延長であり、ペダルは最小限に抑えて音色の微調整に徹する方が美しく響くようにできているのです。しかし、単純に古典派のように繊細に明晰に弾いていればいいってもんでもない。現代ピアノのための音楽なので、ピアノの機能を最大限に活用した作品でもある。つまりは、繊細にかつ大胆にという相矛盾する音楽なのがラヴェルなのです。と言う訳で、アクセント・リズムもきっちりしていて、大変に豪快なラヴェルでよかったです。
<A.Mさん>-弾く曲、何を選ぶかが私にとってはいつも注目の的なんですが、グリーグは全く予想がつきませんでした。しかも抒情小曲集作品68-3の「あなたの傍で」を弾くとは。ロマン派ど真ん中の中年男性が弾くには気恥ずかしさすら覚えるこの曲を弾く(たぶん、純粋にブラームスっぽい曲として選んだとは思うんですが)のにある種の男儀(別の言い方をすれば父性)を感じますね。これ弾いて、後で奥さんと連弾で「歩道のカフェテラス」とか私は恥ずかしくて無理です(というか色々と別の面で演奏はできないと思いますが)。で、演奏ですが、メロディラインが途切れる部分の間の味わい、そして息の長い歌の部分のカンタービレも大変よかったと思います。たぶん、子供だとまだこういう風には弾けないんですよ。それらしく表情をつけて上手く弾けるとは思うのですが、「それらしい表情」と「まさにこの表情」とは雲泥の差があるわけで。最近、演劇部の顧問やっているもんで、そういう作為というものに敏感になっております。
ギロックの星空円舞曲、歩道のカフェテラスですが、ワルツを弾く時には3拍目に意識をしてみてください。強く弾けということではありません。意識をちょっとそこに傾けるということです。ズン・チャッ・チャのチャです。西洋音楽は基本的にはアクセントがあるのは最後の拍です。しかし、どこで間違ったか、何故か日本の音楽教育の中で、最初の拍にアクセントがあるように教えるようになったので、最初の拍を強調する癖がついている人が大半です。でも、ホントはそうじゃないのです。一例として、ショパンのワルツ作品64-2を聴いてください。最後の拍にアクセント的なフレーズがあるかと思います。分かりにくければ、同じ曲をラグ(2拍子)に編曲したものを聴いてください。違和感ないということは、もともと裏拍(アフタービート)にアクセントがあったということです(それを誇張している)。ただし、西洋音楽でも民族音楽を取り入れているような作品(ハンガリー舞曲、トルコ行進曲など)はあえて最初の拍を強調しています。強調することで、民族音楽ぽっさを出しているのです。ジャズ・ポップス・ロックはもともと西洋音楽にある裏拍(アフタービート)をもっと強烈に前面に出したものです。ジャズ系のクラシックならガーシュインの前奏曲、ロックでいえば紫の煙なんかは典型的ですね。と言う訳で、3拍目に意識を集中すると、もっとワルツっぽく躍動感がでてきます。繰り返しますが、音を大きくするという事ではないです。意識を向けるということです。特に歩道のカフェテラスでは、ベース担当(つまりペースメーカー)ですので、曲の雰囲気を決めるのはお父さんです。
<N.Mさん>-N.Mさんに限らず、お子さんのいる人々の切り替えの速さにはいつも感心することしきりです。本当に演奏直前までバタバタしていても、いざピアノの前に座ると完全に音楽の世界に没入できるというのが、凄い。夫婦連弾では「子供なんていないんじゃないの?」と感じるくらいに二人だけの世界になっていて、曲想もあいまってその仲睦まじさにアフタヌーンピアノンノの全体の空気をつくっているように感じました。ちなみに、「歩道のカフェテラス」って、ちょっと妙だなあと思って原題を調べてみたら、Sidewalk Cafeでした。これなら、単純に「カフェテラス」でいいと思います。Cafe Terraceはもともとイタリア語で、歩道や野外にあるカフェのことです。つまり、「歩道のカフェテラス」って、「豆の煮豆」みたいな訳なんですね。
<Y.Mくん・S.Mちゃん・K.Mくん>-3人とも「音楽がとことん好き」というよりも、様々なやりたい事の中に「音楽もある」という感じで、これくらいのペースで音楽と関わってゆくのがいいのかなと思います。楽器の演奏というのはつきつめれば、いくらでも先があり、その先を考えると段々と嫌になり、中学あたりで「楽器演奏は一切シャットアウト」という事になりがちなんですが、最初から程良い距離感があれば、末永く自分の世界の一部として保持する事ができるでしょう。保持する事ができればその年齢ごとの琴線に触れる音楽の出会いがあり、違った形で自分なりの音楽世界を作ってゆく事ができるでしょう。まあ、今後どんな事に興味が増して、情熱の分配というのがどうなるかはわからないので「音楽はとりあえずもういいや」と言う風になるかもしれませんけど。ただ、Kくんに関しては、なんとなくですけど、高校生あたりで「ドラムやりたい」とか言い出しそうな気が。と言う訳で、打楽器をやっているような錯覚を与える「太鼓の達人」とか「太鼓さん次郎」とかはなるべくやらせない方がいいかもしれません。え?すでにやってる?それじゃあ、しょうがないですね。まあ、長い目で見守りましょう。
<M.Mさん>-相当に大昔に私がショパンに夢中だったころ、技術的に難易度の高くないワルツとかマズルカとかノクターンとかプレリュードとかエコセーズとかを結構弾いていました。で、技術的な問題はあるにせよ、自分はショパンの音楽の理解者・代弁者だと思い込んでいたものです。若気の至りでなんたる傲慢な考えだったかは、ちょっと世界を広げれば痛いほど分かる事でした(上手く弾ける人がいるということでなく、ショパンはそんな単純な音楽ではないということに気付く)。ショパンには、ピアニストに「自分はショパンを理解している・代弁者だ」と言う風に勘違いさせる「麻薬みたいな何か」があるんですね。ことにそれは技術的に難易度が高まれば高まる程に強くなり、プロのピアニストとなっても、「ショパンのスペシャリスト」とか平然と宣言する人が後を絶たない訳です。まあ、それぞれのピアニストにそれぞれのショパンがあるのですね。それはショパンの音楽が「不正解はあっても正解のない」ものだからです。よって、ショパンだけしか弾かないショパンコンクールも成り立つ。冷静にショパンについてきっちり考えるならば、時間はいくらあっても足りないし、そう簡単に演奏の正解も見いだせない。よって、理知的・構築的なピアニストはたいていメインレパートリーにショパンはほとんど入れません(ブレンデル、グールド、ケンプ、バックハウス、シュナーベル、ゼルキン)。いわゆるショパンがレパートリーの中心というピアニストは「思いこみが激しい」というか「自己中心的」というか「直感的」というか、そんなタイプのピアニストが多いような気がします(ルービンスタイン、コルトー、ロシアピアノスクールの面々、パデレフスキ、パハマン、フランソワ、などなど多数)。ま、そうでないと演奏会なんてできないと思います。
前置きが長くなりましたが、M.Mさんの「舟歌」、「いい曲だから弾いてみた」という以上でもなければ以下でもない、ある意味でストレートな演奏でした。大人になれば、アマチュアは特にそうですが、「自分のショパンはこうよ!」的な「アク」出てくるものですが、そういうのは全然ないです。よくニコニコ動画とかで「~を弾いてみた」というタイトルのものがありますが、その気の抜けた言い方に反して「君、相当に練習しているだろう!」というのが多くて(例えば、去年からネット上でヒットしている千本桜のピアノバージョンなんて、かなり練習しなければ弾けないでしょう。「弾いてみた」とかいう気易い決意ではできないはず)、M.Mさんの演奏もそれに通じるものがあります。ただひたむきに弾いてみた、その結果、音楽そのものが単純につむぎだされる。音楽に力強さを感じますね。今回は、たまたまショパンだったけど、彼女の場合、なんでもそうなんですよね。
<K.Mさん>-ナウシカいいですね、やはり。ペダルなしというのがもったいないと最初は思っていましたが、原曲が名曲なんでポツポツ弾くのもなんだか味わいがあってよかったです。久石譲って、一般的に凄く人気のある作品と優れた作品とが微妙にずれている事が多いんですが、ナウシカに関しては宮崎・高畑コンビに推されて初めて起用された経緯もあり、人気と内容とが一致している素晴らしい作品です。やはりジブリ第一作というのもあるんでしょうけど、気合いが入っている感じがします。そう考えると、「トトロ」じゃなくて「ナウシカ」を選ぶというのがやはり、K.Mさんの成長の証なのかもしれませんね。
<瀧山晃弘さん>-瀧山さんの何が凄いって、一度もピアノを触らずにいきなりあの音色が出せるということです。普通、プロだってリハはやるでしょう。会場での響き具合とかタッチとかペダルの具合とかを微調整する。彼はそれなしで、あの音を出せるんです。ガチャガチャ音を出すだけだったら、ピアノをそれなりに弾ける人だったらリハも要らないかもしれない。でも、弾くのは神智学のスクリャービンなのですよ。もちろん彼としては満足のいく演奏ではないのは重々承知の上で書くなら、もう身体と音楽が一体化しているとしか言いようがない。ピアノは単なる彼の頭にある音楽の媒介装置に過ぎないのではと思ってしまいます。
さらに彼の凄いのは、常に新たな道へ進もうとしているところです。「まだ先がある」と妥協せずに探求し続けている姿は全くもって音楽家の鏡です。今年は去年とはまた違った演奏でした。去年は見通しのいい明晰な音楽作りを志向していた感じですが、今年は全体の構成はしっかりしているにもかかわらず、部分部分に多彩なニュアンスが盛り込まれていて、まさに芳醇なスクリャービンでした。ここまでスクリャービンに傾倒しているアマチュアはそんなにいないでしょう。たぶん日本に限って言えば、アマチュア(セミプロか?)スクリャービン弾きベスト3には必ず入ると思います。アフタヌーンピアノンノに来てくださるのは本当にありがたいことです。
話とびますが、昨日「パシフィックリム」というハリウッド版ロボットVS 怪獣映画を見に行ったのですが(もし巨大ロボットと怪獣が好きでまだ見てなかったら、映画館で3D見る事を強くお勧めします)、その中で準主役の菊地凛子が水本桂さんに似ていたので、来年はまた彼女の力強い演奏を聴きたいなあと思ったことでした。
では、来年もよろしく!
~ここまで~
Oさん、遠いところから来てくださり、まだDVDお渡ししていないにも関わらず、こんな長文の所感をお寄せくださり、感謝感激です。
ありがとうございます!
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アフタヌーン・ピアノンノ2013
2013年8月5日月曜日
AFTERNOON PIANONNO 2013 開催します!!
いよいよ2013年の夏本番、もう少しで高校野球ですね。
さてさて、ご連絡が遅くなりましたが、今年も、アフタヌーン・ピアノンノ2013を、開催します!
日時・・・8/10(土)
時間・・・13時開演 17時終了
場所・・・守谷市国際交流研修センター
です!
当日は、朝9時からリハーサルで開けています。調律は前日に終わっている予定です。
今年のプログラムは、以下の通りです。
●第1部
1. 坂本龍一 八重の桜(ピアノ)
2. ギロック 海辺の歩道(ピアノ)
3. ギロック 東洋の市場(ピアノ)
4. ギロック ガラスのくつ(ピアノ)
5. ドイツ曲 かえるのうた(ピアノ(連弾))
6. マザーグース メリーさんの羊(ピアノ(連弾))
7. グリーグ At your feet(ピアノ)
8. ギロック スターライト・ワルツ(ピアノ)
9. 小田島樹人 おもちゃのマーチ(ピアノ)
10. 三木たかし アンパンマンのマーチ(家族アンサンブル)
11. リスト=橋田波子 愛の夢 第3番(ピアノ)
12. John lenon 詞:忌野 清志郎 イマジン(ギター+歌)
13. 作曲者不詳 犬ふんじゃった(ピアノ(連弾))
14. リチャード・クレイダーマン 秋のささやき(ピアノ)
15. 久石譲 Summer(ピアノ)
16. 服部良一 蘇州夜曲(ピアノ)
17. ベートーヴェン ソナタ「月光」第3楽章(ピアノ)
●第2部
18. ハチャトゥリアン 仮面舞踏会(ピアノ(連弾))
19. ドビュッシー 夢(ピアノ)
20. ドビュッシー ベルガマスク組曲より「月の光」(ピアノ)
21. メンデルスゾーン 無言歌集第3巻より「Duetto」(ピアノ)
22. チャイコフスキー くるみ割り人形 第1曲 小序曲(ピアノ(連弾))
23. フォーレ 組曲「ドリー」より 「子守唄」(ピアノ(連弾))
24. ベートーヴェン ピアノソナタ24番 第1楽章(ピアノ)
25. ベートーヴェン エリーゼのために(ピアノ)
26. 作曲者確認中 アレグロ(ヴァイオリン)
27. モーツァルト キラキラ星(ヴァイオリン)
28. バッハ メヌエット2番(ヴァイオリン)
29. ベートーヴェン 6つのバガテルより抜粋(ピアノ)
●第3部
30. ショパン 舟歌(ピアノ)
31. 成田為三 浜辺の歌(ピアノ)
32. ブラームス ハンガリー舞曲第5番(ピアノ(連弾))
33. ドビュッシー アラベスク1番(ピアノ)
34. ラヴェル 道化師の朝の歌(ピアノ)
35. ドイツ民謡 青空(ピアノ(連弾))
36. ブルグミュラー 清らかな小川(ピアノ)
37. デヴィッドボウイ Starman(ウクレレ)
38. Blur Tender(ギター+歌+カホン)
39. FUNKY MONKEY BABYS ヒーロー(ピアノ+歌)
40. 久石譲 風の谷のナウシカ(ピアノ)
41. グルリット 夕べの歌(ピアノ)
42. バッハ シンフォニア第10番(ピアノ)
43. メンデルスゾーン 無言歌集 Op.67-4 「紡ぎ歌」(ピアノ)
44. スカルラッティ ソナタK.27/L.449(ピアノ)
45. ギロック 歩道のカフェテラス(ピアノ(連弾))
46. スクリャービン 4つの小品Op.56より第1曲 前奏曲(ピアノ)
47. スクリャービン 2つの詩曲 Op.32 ほか(ピアノ)
今年は例年なら7月中~8月頭のところが、会場が取れずにお盆近くなってしまいました。
予定が入っている方も多く、例年に比べると参加者が少し少ない感じではありますが、それでもこのようなてんこ盛りのプログラムになりましたことは、本当に参加者の皆様、ありがとうございます。
きっと、素晴らしい思い出に残る演奏会になりますように、祈っております。遠方から来られる皆様、くれぐれも道中お気をつけてお越しください。
ではでは。当日をお楽しみに!!
さてさて、ご連絡が遅くなりましたが、今年も、アフタヌーン・ピアノンノ2013を、開催します!
日時・・・8/10(土)
時間・・・13時開演 17時終了
場所・・・守谷市国際交流研修センター
です!
守谷市国際交流研修センター(逆光で見えない・・・)
ホールはログハウス風の木造りで、とてもあたたかい雰囲気です。
ピアノはヤマハのC7です。
当日は、朝9時からリハーサルで開けています。調律は前日に終わっている予定です。
今年のプログラムは、以下の通りです。
●第1部
1. 坂本龍一 八重の桜(ピアノ)
2. ギロック 海辺の歩道(ピアノ)
3. ギロック 東洋の市場(ピアノ)
4. ギロック ガラスのくつ(ピアノ)
5. ドイツ曲 かえるのうた(ピアノ(連弾))
6. マザーグース メリーさんの羊(ピアノ(連弾))
7. グリーグ At your feet(ピアノ)
8. ギロック スターライト・ワルツ(ピアノ)
9. 小田島樹人 おもちゃのマーチ(ピアノ)
10. 三木たかし アンパンマンのマーチ(家族アンサンブル)
11. リスト=橋田波子 愛の夢 第3番(ピアノ)
12. John lenon 詞:忌野 清志郎 イマジン(ギター+歌)
13. 作曲者不詳 犬ふんじゃった(ピアノ(連弾))
14. リチャード・クレイダーマン 秋のささやき(ピアノ)
15. 久石譲 Summer(ピアノ)
16. 服部良一 蘇州夜曲(ピアノ)
17. ベートーヴェン ソナタ「月光」第3楽章(ピアノ)
●第2部
18. ハチャトゥリアン 仮面舞踏会(ピアノ(連弾))
19. ドビュッシー 夢(ピアノ)
20. ドビュッシー ベルガマスク組曲より「月の光」(ピアノ)
21. メンデルスゾーン 無言歌集第3巻より「Duetto」(ピアノ)
22. チャイコフスキー くるみ割り人形 第1曲 小序曲(ピアノ(連弾))
23. フォーレ 組曲「ドリー」より 「子守唄」(ピアノ(連弾))
24. ベートーヴェン ピアノソナタ24番 第1楽章(ピアノ)
25. ベートーヴェン エリーゼのために(ピアノ)
26. 作曲者確認中 アレグロ(ヴァイオリン)
27. モーツァルト キラキラ星(ヴァイオリン)
28. バッハ メヌエット2番(ヴァイオリン)
29. ベートーヴェン 6つのバガテルより抜粋(ピアノ)
●第3部
30. ショパン 舟歌(ピアノ)
31. 成田為三 浜辺の歌(ピアノ)
32. ブラームス ハンガリー舞曲第5番(ピアノ(連弾))
33. ドビュッシー アラベスク1番(ピアノ)
34. ラヴェル 道化師の朝の歌(ピアノ)
35. ドイツ民謡 青空(ピアノ(連弾))
36. ブルグミュラー 清らかな小川(ピアノ)
37. デヴィッドボウイ Starman(ウクレレ)
38. Blur Tender(ギター+歌+カホン)
39. FUNKY MONKEY BABYS ヒーロー(ピアノ+歌)
40. 久石譲 風の谷のナウシカ(ピアノ)
41. グルリット 夕べの歌(ピアノ)
42. バッハ シンフォニア第10番(ピアノ)
43. メンデルスゾーン 無言歌集 Op.67-4 「紡ぎ歌」(ピアノ)
44. スカルラッティ ソナタK.27/L.449(ピアノ)
45. ギロック 歩道のカフェテラス(ピアノ(連弾))
46. スクリャービン 4つの小品Op.56より第1曲 前奏曲(ピアノ)
47. スクリャービン 2つの詩曲 Op.32 ほか(ピアノ)
今年は例年なら7月中~8月頭のところが、会場が取れずにお盆近くなってしまいました。
予定が入っている方も多く、例年に比べると参加者が少し少ない感じではありますが、それでもこのようなてんこ盛りのプログラムになりましたことは、本当に参加者の皆様、ありがとうございます。
きっと、素晴らしい思い出に残る演奏会になりますように、祈っております。遠方から来られる皆様、くれぐれも道中お気をつけてお越しください。
ではでは。当日をお楽しみに!!
大ホールの中はあたたかい白熱球の灯りが満ちています。
カテゴリ:
アフタヌーン・ピアノンノ2013
2012年10月10日水曜日
AFTERNOON PIANONNO 2012がまた本になりました!
AFTERNOON PIANONNO 2012ご参加いただいた皆様へ。
今年も、写真係のろいこさんが、素晴らしい写真をまとめたフォトブックを作ってくれました。
あの楽しかった思い出がよみがえってくる、ステキな仕上がりです。
ほしいという方は、増刷が出来ますので、ユング松井(forest@valley.dti.ne.jp)までご依頼ください。
ろいこさん、ありがとう!!!
今年も、写真係のろいこさんが、素晴らしい写真をまとめたフォトブックを作ってくれました。
ほしいという方は、増刷が出来ますので、ユング松井(forest@valley.dti.ne.jp)までご依頼ください。
ろいこさん、ありがとう!!!
カテゴリ:
アフタヌーン・ピアノンノ2012
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