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「AFTERNOON PIANONNO(アフタヌーン・ピアノンノ)」は、平成4年の北大ピアノクラブ創設当初所属していた部員のうち、一部のOB/OG仲良しメンバーが集まって2010年からやり始めた、小さなサロンコンサートです。茨城で知り合った音楽を愛する仲間さんたちと一緒に年に1度集まり、なるたけお金をかけずに気軽に音楽を楽しもうという、ただそれだけを思って始めた、ささやかな集まりです。 ぼちぼち、ゆる~く、続けていこうと思っております。よろづ帳はこちら! ブログへのご意見・ご要望はこちらまで。

2016年8月4日木曜日

ユングの棚上げ所感!AFTERNOON PIANONNO 2016!!

アフタヌーン・ピアノンノ2016、楽しかったひと時も終わり、ビデオのマスターディスクも出来上がり、あとは所感を書くだけになりました。楽しい時間はあっという間です。




所感、私にとっては、毎年のピアノンノを振り返って整理し記憶に刻むための大切な作業です。文章にすることで、ああ、こういう進歩があったな、この変化はなんだろうな、と思いを巡らせます。もちろん、音楽に造詣が深いわけでもなく、技術的なことを理解しているわけでもないので、書ける内容といえばせいぜい感想文レベルを超えないわけなのですが、それでも記録に残しておくことで、後で読んだ時に「ああそういえばこの時は自分はこう感じたんだよな」と音楽を感じる自分自身の変化に気づくこともあります。というわけで、毎度自分を棚上げして申し訳ありませんが、ユングの棚上げ所感でございます。奏者名はイニシャルにしてあります。










●第1部

・Y.Kちゃん 小森昭宏 いとまきのうた
       ヘンリ・クレイ・ワーク 大きな古時計
  A.Kさん家の次女さん。今日は3人娘が和装で弾いてくれました。
  ソロ2曲、どちらの曲も、しっかりとリズムを刻んで、ミスもなく、きっちり練習してきているなあという印象でした。いとまきのうたは、たしかお姉ちゃんもやったかな。お姉ちゃんに負けないくらい上手にできました。来年あたりは弾き語りに挑戦してきそうな気がします。楽しみです。



・S.Mちゃん ブルグミュラー すなおな心
  私の娘です。音楽をやる女の子はシャキッとしていて、逆に音楽をやる男の子は少しウェットですね。この子はまさにシャキーンです。なんとか本番は止まらずにまとめてきました。「すなおな心」というよりは「強気な心」だったような気がします。



・H.Sちゃん、K.Sさん 外国曲 こいぬのマーチ
           R・ロジャース ドレミの歌
  ママとの連弾でどちらも調が同じ長調の明るい曲。聴いていて自然に途切れず楽しい気持ちになりました。
  この子はママ譲りでしょうか、音感がけっこういいのかなという気がします。まだ幼稚園ですけれど、しっかりと音を取ります。ぜひずっと続けてほしいですね。そしてママのようなショパニストになるんだ!!



・A.Mさん エンニオ・モリコーネ 映画「ニュー・シネマ・パラダイス」から
         ニュー・シネマ・パラダイス
         成長
         愛のテーマ
         新井満 千の風になって
  自分です。映画音楽のほうはともかく、千の風は弾き語りで、私は弾き語りの経験などほとんど皆無、もう気持ちだけで歌っていました。結果はどうあれ、今日出せるものはすべて出し切ったと思います。



・K.Sさん ショパン ワルツ第1番 変ホ長調 華麗なる大円舞曲
  ショパンがなぜかしっくりくるK.Sさんです。今回もショパンの王道的な超有名曲。
  練習不足でやばいと仰られてましたが、きちんと全体の雰囲気、形がまとまっていました。さすがショパニストです。途中つまりかけても弾き手に迷いがなければ、聴くほうは流れを止めずに聴けるものです。大変に男前な演奏でした。アッパレです。



・Y.Mくん ギロック サラバンド
  私の息子です。本人は途中で止まったことが非常に悔やまれて不完全燃焼だと言っていました。まあそれはそれとして、彼らしい繊細さは出せたのかなと思います。この曲にはそんな雰囲気が合っていますね。



・A.Kさんご一家 Greeeen キセキ
  毎年ご家族オールメンバーでエンターテイメントを披露してくださるA.Kさんご一家です。
  今年はパパがピアノ、ママが歌、娘さんたちは小太鼓、ウッドブロックに、一番下のおちびちゃんもカスタネットで参加されました。
  私はこの「キセキ」という曲を知りませんでしたが、このご家族がシンプルに音楽が好きで好きでたまらなく、そしてそれを引き出す家族の和がなんともナチュラルで心地よく、自分もこんな風に音楽を愛せたらなあと思ってしまう、そんな素敵な演奏でした。








●第2部

・I.Kさん ショパン 前奏曲 第15番 「雨だれ」
  雨だれですが、当日のお天気は快晴でした。この時だけ雨降ってくれるともっともっと雰囲気が出たかもしれません。
  演奏そのものは、まさにI.Kさんの人柄がそのまま出たような、朴訥で自然体、まさに音楽と自分がそこで相対していて、他に余分な雑念がない、それゆえに、そこから紡ぎだされる音楽は嫌味がなく、純粋なものでした。ある意味これが理想の音楽ではないかと思います。心にじわりと残る演奏でした。



・A.Kさん、Y.Kちゃん、H.Kちゃん R・ロジャース ドレミの歌
  サウンド・オブ・ミュージックの名曲です。3姉妹プラスママさんで豪華な連弾です。
  ママが低音のリズムを刻み、まんなかのお姉ちゃんがメロディ旋律を、上のお姉ちゃんが高音部で装飾音を奏でます。こういう楽譜があるんでしょうか。あるいはご自分で編曲されたんでしょうか。これはいいなあ。大人が聴いても楽しめるドレミの歌でした。これは手拍子があっても良かったかな。



・K.Mちゃん、N.Mさん 久石譲 風の通り道
  私と仲の悪いうちの次男です。
  まあ、完全に練習不足でなめてた感丸出しでした。普段ママに甘えすぎてるツケが来たんですね。これにこりて、次からは真面目にピアノと向き合ってほしいものです。



・E.Uさん ショパン ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
      ショパン ワルツ 変イ長調 Op.69-1「告別」
  「告別」を「告白」と勘違いしていたE.Uさん。
  聴けばだれもが知っている有名なワルツですが、言われてみれば、「告別」というタイトルがなければラブラブと言われても頷いてしまいそうな長調の曲。
  でもやっぱりどこか陰影がありますよね。告別とまでは言わなくても、なんとなく、夕暮れの下校時刻に流れそうな、「ばいばい、またね」というような感じでしょうか。そんな感じがようく出ていました。高校生くらいのカップルが夕暮れ時に分かれてそれぞれの自宅に帰るような、そんなワルツでした。



・M.Kちゃん フランス民謡 はしのうえで
  カメラ係のろいこさんの娘さん。今回がピアノンノはデビュー戦でした。
  まったく詰まらず、きっちりとリズムを刻み、最後まで危なげなく弾き切りました。アフターでも何度も何度も弾いていました。きっとこの子は舞台度胸があって、ピアノが大好きで、人前で弾くことが楽しいのでしょうね。これからが楽しみなお嬢さんです。
  


・A.Oくん J.S.バッハ ガヴォット
  今年最も進歩を感じたお子さんです。
  バイオリン、ピアノとは難しさが全然違うとは思いますが、一昨年、昨年と比べて飛躍的に音をしっかりと捉えているように感じました。
  たしか2年ほど前にも同じ曲をやっていましたが、その時は短い簡単バージョンでしたが、今回はたぶんフルバージョンなのかな?数分くらいの長さでした。ボウイングの妙とか私にはわかりませんが、ああ頑張ってるなあと嬉しくなった演奏でした。



・M.Mさん ブラームス Op.21-1 創作主題による変奏曲 ニ長調
  ブラームスが好きなM.Mさん、私もブラームスは好きですが、この曲は知りませんでした。ピアノクラブOBのM.Oさんから教えてもらったとのことで、やはりピアノクラブ重鎮は珍しい曲に造詣が深いなあと改めて感じました。
  さてM.Mさんの演奏ですが、この人らしさがやはりようく出ていて、音がどっしりとしてなんともいえない安定感、安心を感じる演奏でした。
  毎年思うのですが、選曲がストーリー性のあるものなんですよね。始まりからして、なにか始まったぞ、楽しそうなお話しかな、というような期待を感じる始まり、途中は短調と長調が入り混じっていろんな感情が交錯したような速いパッセージ。聴衆人それぞれだとは思いますが、聴いていてなにがしかの情景が浮かびます。ただの音のつながりではない、お話を聞いているような感じなので、どんどん引き込まれていきます。今年も素敵なお話を聞かせてもらいました。ありがとう。







●第3部

・C.Gさん 平井康三郎 幻想曲 「さくらさくら」
  C.Gさんが中学生の時に出会い、初めて自分からピアノを主体的に練習しようと取り組んだという、ピアノ道の転機になった曲だそうです。
  私はこの曲を初めて聴きましたが、曲そのものよりも、C.Gさんらしさが前面に出ていて、なんとも雄大な「さくらさくら」を表現していました。極大サイズの花びらが台風のように舞っている情景が浮かびました。いやあ、なんというか、若い気がしました。


  
・H.Kちゃん ブルグミュラー 優しく美しく
  クリスティーン・アンダーソン レット・イット・ゴー
  和装3人娘の長女さんです。
  毎年弾き語りをやったりと周りをあっと言わせる子ですが、今年はさらに運指がこなれていて、左手にメロディーがうつるところもうまく表現していて、かなりポテンシャルの高い子だなあとあらためて驚かされました。人前で表現することにためらいがなく、これから先もとどまることなく新しい驚きを見せてくれるんだろうなあと期待しています。



・N.Mさん ドビュッシー 夢
  私の奥さんです。本人は途中で止まったりと出来に絶望しておりましたが、やはりN.Mさんらしい、淡々とした調子とほのかな優しさはちゃんとあって、聴いていてどこかほっこりするような演奏でした。忙しい中いろいろ準備やらなんやらで大変でしたが、よく頑張ってくれたと思います。ブラボーです。



・K.Mくん ギロック 女王様のメヌエット
  私と仲の悪い次男です。1年間ちっとも練習しないので、去年と全然難易度が変わっていません。少しは真面目に取り組んでほしいんですが、しばらくこんな感じでたらたら行きそうな気がします。



・Y.Oさん サティ ヴェクサシオン より抜粋
  ドビュッシー カノープ
  相変わらず不思議世界の住人のY.Oさん。今年は去年に引き続き、サティの、去年よりもさらに変な曲を持ってきました。ヴェクサシオンとは「つまらないもの」という意味だそうです。楽譜の作曲者指示として「この節を840回繰り返すには忍耐が必要」とか書いてあり、ほとんど嫌がらせか遊びで作曲したのかって感じですが、今回私はやっとわかったのですが、Y.Oさんはピアノという楽器の表現の幅の限界に挑戦しようとしているようです。そう考えてみると、演奏中にピアノの蓋を開け閉めしたり、譜面台に笛を置いたり、ソステヌートペダルを踏んでみたり、不協和音覚悟でダンパーペダルを踏みっぱなしにしたりといった奇行も納得がいくわけです。彼らしい遊び心満載の不思議世界、たっぷりと堪能させていただきました。ちなみに、私は彼が何回繰り返すのか数えていましたが、数えつかれてやめてしまいました(笑)


  
・M.Gちゃん Robert B. Sherman & Richard M. Sherman チム・チム・チェリー
  昨年に引き続き2回目の出演です。はるばる岡山から来てくれました。
  この選曲はパパの押し付けだそうですが、この曲は小さな子供が弾いたほうが感じが出るかもしれません。なんともわびしげな、この曲の雰囲気がようく出ていたと思います。アフターでもリクエストが殺到していました。素敵な演奏でした。


  
・M & S +α 岡本定義・はじめちとせ ハミングバード
  M.Kちゃんとうちの娘のデュエットにS.Kさんがハモり、I.Kさんのギターと私のタンバリンで楽しく合奏しました。二人の声質が近くて、いい感じの歌で、ハモリがまた良かったです。タンバリンで拍子をとるのが楽しくて、そのうち聴衆の子供たちもハンドベルで合わせてくれたり、手拍子くれたり。これぞライブ。生きた音楽って最高ですね。


  
・M.Oさん ベートーヴェン ソナタ第26番 「告別」
  地元千住でピアノ教室をやってらっしゃるM.Oさん。お子さん男3人かかえて音楽活動もいろいろと精力的にこなされて、途方もないバイタリティにはいつも感服しています。今回はプログラム作成まで全部やってくださいました。
  そんな忙しい彼女が持ってきたのは告別全楽章・・・私は全楽章ライブで聴いたのは初めてでした。
  これだけ長くて難しい大曲を仕上げてくるだけでもとんでもない偉業ですが、きっちりと難なく弾き切るところ、さすがです。感じるところとしては、ちょっと大げさかもしれませんが、感覚的には、オーケストラを聴いているようなスケールの大きさに、聴いていて森林浴しているような心地よさを感じました。素晴らしいトリでした。ブラボーです。







●第4部

・Y.N & S.K 葉加瀬太郎 情熱大陸
  1週間前に収録したビデオでの出演でしたが、Y.Nさんの軽快なプリモに、S.Kさんの安定したセコンドがいい感じに掛け合っていて、スピードに乗って風を切るような心地よさとノリでした。Sound24の編曲は連弾なのにになんでってくらい難しいんですが、それをこのスピードで弾き切るというのは、やはり手練が二人そろうとこれだけの説得力を持つんだなあと、あらためて感嘆しました。この演奏を聴くと、私はついノッてしまってなにかを叩いたり足を踏み鳴らしたくなってしまいます。お二人の演奏のあとには、みんなでセッション。それぞれ好きな楽器を持って参加しました。子供たちみんなこの曲を昔から知っているかのように、止まるところでは止まり、走るところでは走る。聴衆をこれだけ動かすこのパワー、これはやはりお二人の演奏のオーラの力なんだろうなと思いました。



・AFTERNOON PIANONNO ORCHESTRA 黒須克彦 夢をかなえてドラえもん
  最後のしめはドラえもん。これも子供たちが鳴り物や歌で参加してくれました。
  ギター、リコーダー、ハンドベル、バイオリン、ジャンベ、タンバリン、カスタネット、ウッドブロック、ピアニカ、ハーモニカ、そしてかわいらしい声。即席オーケストラの出来上がり。バイオリンなどは、楽譜もないのにその場で合わせてくれて、子供たちの進歩をひしひしと感じるドラえもんでした。いやー、楽しかった。心から楽しかったです。







今年のアフタヌーン・ピアノンノは、個人的にはちょっと体調を崩している中での開催で少し厳しいかなと思うところもありましたが、ふたを開けてみれば、皆さまや子供たちがいっぱい手伝ってくれて、実は今までで一番負荷少なく、私はかなり楽させていただいたコンサートだったように思います。その分皆さまに負荷が大きくなったかもしれませんが(笑)

今はただ、無事に終えられたこと、素敵な演奏がたくさん聴けたこと、子供たちの成長に立ち会えたこと、この瞬間あの場所で生まれ出る音楽に関われたことに感謝しております。





来年、再来年、いつまで続けられるでしょうか。わかりませんが、私にとっては年に一度の至福のひとときです。みなさまの力をお借りしつつ、ずーっと続けていきたいと思っています。また来年、きっとあの場所で会えますように。


ありがとうございました!!




2 件のコメント:

  1. そうはいっても、予約、段取り、準備、片付け、と大変なことだと思います。でも素敵な場であるのは間違いないので、無理のない範囲で続けていきましょう。

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    1. ありがとう。写真係こそ一番大変だと思います。いつも楽しくやってくれて助かっているし写真そのものがなにより素晴らしいのでありがたいです。これからもよろしくです。

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